営業におけるKPIとは?設定方法、管理方法を詳しく解説
営業におけるKPI(Key Performance Indicator)は、営業目標達成に向けた重要な指標です。適切に設定することで、営業活動の進捗管理が容易になり、具体的な行動計画が立てやすくなります。また、KPIを設定することで、営業プロセス全体を見直すことにもつながり、営業成績の向上が期待できます。今回は、営業におけるKPIの設定方法、管理方法について詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.営業におけるKPIとは
- 2.KPIとKGI、KFSの違い
- 3.営業におけるKPIの設定方法
- 3.1.ステップ1:ゴール(KGI)を設定する
- 3.2.ステップ2:営業プロセスを細分化する
- 3.3.ステップ3:最重要プロセス(KSF)を絞り込む
- 3.4.ステップ4:目標(KPI)を設定する
- 3.5.ステップ5:運用性を確認する
- 3.6.ステップ6:対策を事前に検討する
- 4.営業でKPIを設定する際のポイント
- 4.1.コントロールできない指標をKPIにしない
- 4.2.SMARTに基づいて数値を決める
- 4.3.PDCAサイクルを回す
- 4.4.SFAを活用して管理する
- 5.まとめ
営業におけるKPIとは
「KPI」とは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれます。営業では、最終目標に対しての達成度を表す中間指標のことを指します。
KPIを設定することにより、「いつ」「どんな行動」を「どれだけ」の量で実行すれば良いのか、明確にすることが可能です。例えば、売上目標を達成したい場合、日々のアポイント数や成約率などがKPIに該当します。
また、KPIで具体的な数値を示すことで、目標に達成していない場合、営業プロセスや施策を改善する際の目安としても役立ちます。
KPIとKGI、KFSの違い
KPI(重要業績評価指標)と関連する用語として、KGI(重要目標達成指標)とKFS(重要成功要因)があります。
KGIは、ビジネスでの最終的な目標を示す指標です。例えば、年間売上目標や市場シェアの拡大などがKGIに該当します。KGIは企業の長期的な成功を測るための具体的な目標であり、KPIはその目標に向かって進む過程を評価するために使用されるものです。
KFSは、目標達成のためにキーとなる要因や必要なアクションを示します。営業におけるKFSには、顧客関係の強化、新規リードの獲得、クロージング率の向上などが含まれます。KFSは、KPIを達成するために何をすべきかを具体的に示すものであり、日々の営業活動の指針となるのです。
KPI、KGI、KFSはそれぞれ異なる役割を持ちながらも、最終的にはビジネスの成功を目指して連携しています。営業活動において、これらの指標を適切に設定し、管理することが重要です。
営業におけるKPIの設定方法
営業成績を向上させるためには、KPIを適切に設定することが不可欠です。KPIの設定には6つのステップがあります。ここでは、それぞれのステップを詳細に説明します。
ステップ1:ゴール(KGI)を設定する
まず、最終目的であるKGI(重要目標指標)を設定して方向性を明確にしましょう。KGIを明確にすることで、全社的な方向性が統一され、各部門が一体となって目標達成に向かうことが可能です。
具体的には、年間売上目標を1億円と設定した場合、その目標達成のために必要なKPIを設定していきます。KGIを設定することで、企業の成長戦略や営業戦術が一貫したものとなります。
ステップ2:営業プロセスを細分化する
次に、営業プロセスを細分化します。どの営業活動を強化することでKGIを達成できるかを考えていきます。
営業プロセスを細分化した例としては、下記の通りです。
1.営業リスト作成
ターゲットとなる顧客のリストを作成します。これは、見込み顧客の特定と具体的なアプローチを考える上での基本となります。
2.アプローチ
見込み顧客に対してアプローチを行います。初回のコンタクト方法や頻度を決め、効果的なアプローチ戦略を立てます。
3.ヒアリング
顧客のニーズや課題をヒアリングします。顧客の声を直接聞くことで、最適な提案を行うための基盤を作ります。
4.提案・商談
顧客のニーズに基づいた提案を行い、商談を進めます。提案内容は具体的かつ、顧客にとっての価値を明確に示します。
5.クロージング
契約の締結を行います。クロージングの際には、顧客の不安や疑問を解消し、納得の上で契約を結びます。
6.納品
商品やサービスの納品を行います。納品後のフォローアップも重要です。
営業プロセスを細分化することで、各段階での目標を明確にし、具体的な行動計画を立てることができます。
ステップ3:最重要プロセス(KSF)を絞り込む
細分化した営業プロセスの中から、最も重要となるプロセス(KSF:重要成功要因)を絞り込みます。KSFは、目標達成に直結する要素であり、特に注力すべきポイントです。
例えば、見込み顧客へのアプローチ件数や商談数など、営業活動の中で営業パーソンがコントロール可能な要素を特定します。
具体例として、営業メンバーが1か月に新規顧客に対して行うアプローチ件数をKSFとして設定し、それが全体の売上目標達成にどのように寄与するかを分析します。
ステップ4:目標(KPI)を設定する
ステップ3で設定したKSFをもとに、具体的な目標数値(KPI)を設定します。KPIは、前述の通り定量的な指標であり、目標達成の進捗を測るための重要な指標です。
例えば、下記のようなKPIを設定します。
・確度の高い見込み顧客へのアタック件数:月に30件
・提案金額:月に500万円
・提案書のテンプレート化数:月に10本
KPIを具体的に設定することで、営業メンバーが日々の活動を通じて目標に向かって進むべき方向が明確になります。また、定期的にKPIをレビューし、必要に応じて調整を行うことも重要です。
ステップ5:運用性を確認する
KPIを設定したら、その運用性を確認します。運用性を確認する際には、下記のポイントをチェックします。
・整合性
設定したKPIが論理的に正しいかを確認します。例えば、アプローチ件数が多すぎて実現不可能な場合、KPIの見直しが必要です。
・安定性
KPIの数値が安定的に取得できるかを確認します。データの収集方法や管理システムが整っているかをチェックします。
・単純性
KPIがメンバー全員にとって理解しやすいかを確認します。複雑すぎるKPIは運用が難しくなり、効果的な管理ができません。
これらのポイントを確認し、KPIの運用がスムーズに行えるようにします。
ステップ6:対策を事前に検討する
最後に、KPIが達成できなかった場合の対策を事前に検討しておきます。具体例として、下記のような対策を考えておきます。
・KPI達成に必要な追加のリソースの投入
・営業プロセスの見直しと改善
・トレーニングやコーチングの強化
事前に対策を検討しておくことで、KPI未達成時にも冷静に対応し、迅速な改善を図ることができます。
営業でKPIを設定する際のポイント
ここでは、営業でKPIを設定する際のポイントを解説します。
コントロールできない指標をKPIにしない
KPIを設定する際には、自社の努力でコントロールできる指標を選ぶことが重要です。
例えば、提案数や受注率など、自社の営業活動によって直接影響を与えられる指標をKPIとして設定します。これにより、営業チームは具体的な行動を通じて目標達成に向けた行動をしやすくなります。
一方で、市場動向や競合他社の動向など、自社ではコントロールできない要素をKPIに設定してしまうと、目標達成が難しくなります。
SMARTに基づいて数値を決める
KPIの設定には、SMARTというフレームワークを活用することが効果的です。SMARTは下記の5つの要素から成り立ちます。
・Specific(具体的な):具体的な目標であるか
・Measurable(測定可能な):数値で計測できるか
・Achievable(達成可能な):現実的に達成できる目標であるか
・Relevant(関連性がある):組織の目標と整合性があるか
・Time-bound(期限が明確な):達成までの期限が明確であるか
このフレームワークを用いることで、より明確で具体性のあるKPIを設定することができます。
PDCAサイクルを回す
KPIの達成に向けては、PDCAサイクルを回すことが重要です。定期的にモニタリングを行い、現状の進捗状況を確認することで、どこに課題があるのかを把握できます。
また、進捗が芳しくない目標に対しては、新たな改善策を講じることで、効率的に目標達成に向けた行動を進めることができます。
SFAを活用して管理する
KPIの管理には、SFA(営業支援システム)の活用が効果的です。SFAを導入すれば、顧客情報や案件管理などのデータを一元管理できます。
スケジュールや商談進捗の把握が容易になるため、KPIの管理がスムーズになります。
まとめ
営業におけるKPIは、営業目標の達成に向けた重要な指標であり、適切に設定することで営業活動の進捗管理が容易になります。KPIを設定する際は、具体的な目標数値で表すことが重要です。また、SFAを導入し、PDCAサイクルを回して継続的に改善を図りましょう。
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