【STEP別】営業戦略の立て方|戦略の立案に役立つフレームワークも紹介
営業戦略は、売上や顧客数の増加などを目指して立てられる計画であり、経営戦略に密接に関連しています。市場動向や競合分析、自社の強みと弱みの把握が重要です。
今回は、営業戦略の立て方と、それをサポートするフレームワークについて具体的な手順やポイントを押さえながら解説します。
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営業戦略とは
営業戦略とは、売上や顧客数の増加といった利益目標を達成するために立てられる計画のことです。また、営業戦略は企業全体の戦略のひとつとして取り組む必要があります。
市場の動向や競合他社の動き、自社の強みと弱みを把握することで、具体的な目標設定と達成方法を明確にできます。
また、営業戦略は短期的な成果だけでなく、中長期的な視点からも考えるべきです。そうすることで、持続可能な成長を実現することができます。
経営戦略との違い
経営戦略とは、企業の目的を達成するための方針や計画のことです。具体的には、企業のビジョンやミッションに基づき、市場の選定、資源の配分、競争優位性の確立などが含まれます。
これに対して、営業戦略は経営戦略で定めた目標達成のための手段のひとつです。営業戦略は、より具体的な売上目標を設定し、それを達成するための営業活動やマーケティング施策を計画・実行します。このように、経営戦略と営業戦略は密接に関連しており、相互に補完し合う関係にあります。
戦略と戦術の違い
戦略は「大局的・長期的」なもので、長期的な視点から組織の成長や発展を目指します。全体の目標を達成するための大まかな計画や方向性のことです。
一方、戦術は戦略を実行するための具体的な手段や方法であり、短期的な成果を狙うものです。戦略なくして戦術なしと言われるように、戦略と戦術は並列ではなく、戦略の下に複数の戦術が紐づくといったように階層的な関係にあります。
例えば、営業戦略として新市場の開拓を掲げる場合、そのための戦術として新規顧客の獲得キャンペーンや既存顧客へのクロスセル提案などが考えられます。
【STEP別】営業戦略の立て方
営業戦略の立て直しは、売上を伸ばすために重要なプロセスです。ここでは、5つのステップに分けて、効果的な営業戦略の立て方を解説します。
STEP1|目的を定義する
営業戦略を立てる最初のステップは、明確な目的を定義することです。企業全体の中長期目標に沿って、「何を・いつまでに・どれくらいのレベルで解決すべきか」を決めます。この目的は具体的で測定可能なものであり、リアリティがあるか、組織全体と連携しているかに留意することが大切です。
例えば、「次の四半期までに新規顧客を20%増加させる」といった具体的な目標を設定することで、全員が同じ方向を向いて動けるようになります。
STEP2|現状の課題を洗い出す
次に、定義した目的に対して現状の課題を洗い出します。何が不足しているのか、どうすれば補えるのかを明確化することが求められます。
例えば、現状の営業プロセスが非効率であれば、その改善策を考えなければなりません。また、競合他社との比較分析を行い、自社の弱点を特定し、それを補うための具体的なアクションプランを策定します。
STEP3|顧客理解~ペルソナ&カスタマージャーニーマップを作成する
顧客理解のためには、見込み客のペルソナを適切に設定することが重要です。ペルソナとは、顧客像を具体化したものです。
次に、自社のことを知ってもらう「獲得」から自社の顧客となる「クロージング」、長期的な関係を「維持」するまでのカスタマージャーニーマップ(CJM)を作成します。
これにより、顧客がどのようなプロセスを経て製品やサービスを選び、利用するかを視覚的に理解しやすくなります。カスタマージャーニーマップに基づいて、各フェーズでどのようなアプローチが必要かを具体的に策定します。
STEP4|内部環境・外部環境を分析する
内部環境の分析では、自社のヒト・モノ・カネ・情報についての理解が重要です。例えば、現在の人員配置が適切かどうか、使用しているツールや技術が最先端であるかなどを検討します。
一方、外部環境の分析では、市場における自社の立ち位置や市場自体の成長性などを分析します。競合他社の動向や市場トレンドを把握し、自社がどのようなポジションにいるのかを明確にします。
STEP5|施策の実行と成果判断の基準を明確にする
最後に、戦略に基づき、具体的に誰が担当するのか、いつから開始するのか、どれくらいの期間行うのかといったスケジュールを決めます。
具体的な施策を実行する際には、担当者の役割分担を明確にし、各自が責任を持って遂行できるようにします。また、成果判断の基準を明確にすることも大切です。定期的に成果を評価し、必要に応じて戦略を修正することで、常に最適な営業戦略を維持できます。
営業戦略の立案に役立つフレームワーク5選
営業戦略では、フレームワークを使用することで、現状の分析や課題の明確化、そして戦略の具体化がスムーズに進みます。ここでは、営業マネージャーとして知っておきたい5つのフレームワークを紹介します。
3C分析
3C分析は、顧客分析(Customer)、競合分析(Competitor)、自社分析(Company)の3つのCに焦点を当てたフレームワークです。この分析により、顧客のニーズや競合他社の動向、自社の強み・弱みを明確化することで、現状把握が容易になります。どのような戦略が効果的かを検討する基盤が整います。
SWOT分析
SWOT分析は、市場における自社のビジネスチャンスを発見するためのフレームワークです。
自社の内部環境と外部環境を4つの要素、すなわち強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を洗い出し、それぞれの項目の掛け合わせ(例えば、自社の強み×脅威)、戦略を探ります。
自社が直面する課題とその解決策が明確になります。
4P分析
4P分析は、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つのPを軸に、どのように製品を市場に投入するかを決定するフレームワークです。
自社製品が顧客に提供するメリットや市場における価格の妥当性を客観的に理解でき、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
4C分析
4C分析は、顧客にとっての価値(Customer Value)、コスト(Cost)、利便性(Convenience)、顧客とのコミュニケーション(Communication)の4つのCを分析するフレームワークです。
売る側の視点ではなく、顧客側の視点で分析するため、顧客満足度の向上に寄与します。この視点から、より顧客に寄り添った営業戦略を構築することが可能です。
MECE
MECEはロジカルシンキングの基本概念とされ、情報を網羅的かつ論理的に整理するためのフレームワークです。
Mutually(お互いに)/Exclusive(重複せず)/Collectively(全体に)/Exhaustive(漏れがない)の略語であり、「漏れなく、ダブりなく」要素を挙げて分析します。問題を体系的に整理し、論理的な解決策を導き出すことができます。
営業戦略を立案する際のポイント
営業戦略を立案する際には、自社の強みと弱みを正確に把握し、市況の変化を見逃さず、柔軟に対応できる戦略を構築することが必要です。
これらの要素を総合的に考慮することで、より効果的な営業戦略を策定できます。
多角的な視点で分析する
偏った分析では課題の本質を見失う可能性があります。営業戦略を練る際は、「自社・顧客・競合他社・市況」など多角的な視点をもとにしましょう。
自社の内部リソースや能力を評価する一方で、顧客が何を求めているのか、競合他社がどのような戦略を取っているのか、市場全体のトレンドや動向も把握することが必要です。こうした複数の視点からの分析が、包括的で効果的な戦略の策定につながります。
データを可視化してPDCAサイクルを回す
達成目標値としてKPIを設定し、達成度や成果を評価できるようにすることが重要です。そのうえで、戦略の実行と修正のサイクル(PDCA)を回すためには、データを可視化し、戦略をしっかりマネジメントする必要があります。
ITツールを活用することで、データの収集・分析が容易になり、迅速な意思決定と戦略の修正が可能です。そうすることで、持続的に成果を上げるための戦略を維持できます。
まとめ
営業戦略は、企業の成長と持続的に利益を得るために不可欠です。市場動向や競合分析、自社の強みと弱みを理解し、明確な目標を設定することが重要です。また、実行段階では具体的なアクションプランと成果判断基準を定め、PDCAサイクルを回すことで戦略を最適化できます。
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