
【STEP別】提案型営業の進め方|メリットや成功のポイントを紹介
提案型営業とは、顧客の表面的な要望だけに応えるのではなく、その奥にある課題や潜在的なニーズを明らかにし、最適な解決策を共に考える営業スタイルです。従来の「御用聞き型」や「売り込み型」とは異なり、顧客の成果や満足度を第一に据えることで、信頼関係を強化し、長期的な取引や単価向上につながります。今回は、提案型営業のメリットや基本ステップ、成果を高めるためのポイントをわかりやすく解説します。
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提案型営業とは
提案型営業とは、顧客の悩みや課題を把握し、その解決につながる方法を示す営業スタイルです。単に商品を売るのではなく、顧客が気づいていない潜在的なニーズまで引き出し、最適な解決策を一緒に考える姿勢が求められます。
結果として、信頼関係の構築や長期的な取引につながりやすく、受注率や単価の向上にも貢献します。
提案型営業が重視される背景
現代の顧客は、商品やサービスの情報を自ら調べられるため、単なる価格比較や商品説明だけでは選ばれにくくなっています。そこで必要とされるのが、顧客の状況を深く理解し、課題を整理した上で解決策を提示する営業です。
また、競合が多い市場では「どの商品を売るか」ではなく「どのように価値を提供するか」が差別化の要因になります。さらに情報があふれる時代だからこそ、顧客自身が整理しきれない課題を可視化し、信頼できるパートナーとして方向性を示せる営業の重要性が増しています。
売り込み型営業、御用聞き営業、ソリューション営業との違い
売り込み型営業は、自社の商品を前面に押し出し、必要性を問わず販売するスタイルです。短期的に成果が出やすい一方、顧客の真のニーズを見落とすリスクがあります。
御用聞き営業は、顧客の要望に応えることを重視するため、関係は築けるものの主体性に欠けやすく、提案の幅が広がりにくい点が課題です。
一方でソリューション営業は、顧客の課題解決を目的とし、自社の商品やサービスを中心に提案します。
提案型営業はソリューション営業をさらに発展させ、顧客のビジネス全体を理解した上で多角的な解決策を提示する点に特徴があります。顧客の成功をともに追求する姿勢こそが、提案型営業の大きな強みです。
関連記事:ソリューション営業とは?進め方や必要なスキルも解説
提案型営業をするメリット
ここからは、提案型営業の具体的なメリットを3つに分けて解説します。
幅広いニーズに対応できる
提案型営業では、顧客が自覚している表面的な要望にとどまらず、背景にある課題や潜在ニーズを明らかにできます。
顧客の課題が見えれば、多様な選択肢を提示できるため、顧客にとって「頼れる相談相手」としての立場を確立可能です。
結果として、他社との差別化にもつながり、商談の質も高まります。
顧客と長期的な信頼関係を築ける
一方的な売り込みではなく、課題解決を中心に据える姿勢は顧客の信頼を得る大きな要素です。
さらに、継続的に有益な提案を続けることで関係性が強化され、長期的な取引へと発展します。
顧客にとっても「常に価値をもたらしてくれるパートナー」と認識されやすくなるのです。
リピーターや新規顧客の獲得につながる
信頼関係が構築できれば、既存顧客のリピート率が高まり、安定的な売上が見込めます。
さらに、満足度の高い顧客から紹介を受けることで、新規顧客の獲得も見込めるでしょう。
紹介は信頼性の高い営業チャネルとなり、営業活動全体の効率化にも寄与します。
【STEP別】提案型営業の進め方
提案型営業を実践するには、段階的に進める姿勢が大切です。顧客の理解から課題整理、解決策の提案、クロージングまでを一連の流れとして捉えれば、単なる御用聞きではなく、顧客にとって価値あるパートナーとして信頼を築けます。
ここでは具体的なSTEPごとに提案型営業の進め方を解説します。
【STEP1】顧客情報を収集する
まずは顧客を深く理解する段階から始めます。業界の動向や競合の取り組みを調査し、顧客が置かれている環境を把握しましょう。
さらに、企業の規模や業績、組織体制といった基本情報を整理すれば、提案に必要な土台が整います。丁寧な事前準備が、後のヒアリングや提案の質を高めるポイントです。
【STEP2】ヒアリングを実施する
次に、顧客との対話を通じて現状や課題を明確にします。顧客がどんな問題に直面しているのか、どのようなゴールを描いているのかを丁寧に聞き出すことが重要です。
表面的な要望だけでなく、真のニーズや背景を理解する姿勢が信頼関係を強化し、提案の方向性を定める基盤となります。
【STEP3】課題解決に対して仮説を立てる
収集した情報とヒアリング内容をもとに、顧客の課題を整理します。その上で、解決につながる仮説を複数立てて検討することが大切です。
仮説を立てることで議論が具体的になり、顧客に「理解してくれている」と感じてもらいやすくなります。ここでの精度が提案の成功を左右します。
【STEP4】解決策を提案する
仮説をもとに、具体的な解決策を提示しましょう。その際は単なる機能やサービスの紹介ではなく、顧客が得られるメリットを明確に伝えることが重要です。
例えば「業務効率が何%向上する」「コスト削減につながる」といった成果を数値や事例を交えて示すと、納得感が高まります。
【STEP5】クロージングをする
提案の最後には、顧客が感じる不安や疑問を丁寧に解消し、前向きな意思決定をサポートします。
契約や導入に進むための次のアクションを具体的に提示し、双方の合意を明確にすることが欠かせません。
ここまでの流れを一貫して進められれば、自然なクロージングにつながります。
提案型営業を成功させるためのポイント
提案型営業を定着させるには、顧客に寄り添いながら本質的な課題を見極め提案する、信頼の積み重ねが大切です。
ここでは、成功に欠かせない3つの視点を紹介します。
「ウォンツ」の奥にある「ニーズ」を引き出す
顧客が最初に口にするのは「欲しい機能」や「価格帯」といった表面的なWANTS(ウォンツ)にすぎません。その裏側には「業務効率を高めたい」「コスト削減につなげたい」など、真のNEEDS(ニーズ) が潜んでいます。
営業担当者は、顧客が本当に解決したいと考えている課題を引き出すために、質問を工夫しなければなりません。
顧客から真のニーズを聞き出せれば、顧客に最適化された提案を行えるようになります。
顧客視点で考える
提案型営業では「自社商品をどう売るか」ではなく「顧客がどう成果を出せるか」を出発点に据え、考える姿勢が必要です。
顧客の成功や課題解決を第一に考える姿勢は、相手から「自分のために考えてくれている」と受け止められやすくなります。
その結果、提案の説得力が増し、信頼関係の構築にもつながります。
顧客の不安・疑問を解消する
どれほど優れた提案であっても、顧客が不安を抱いたままでは意思決定が進みません。
導入後のサポート体制やコスト面の懸念、運用イメージなど、疑問点を放置すれば競合に流れるリスクも高まります。
営業担当者は顧客が安心して選べるよう、想定される不安や疑問に先回りして答えましょう。
まとめ
提案型営業は、顧客の真のニーズを理解し、解決策をともに描くことで信頼を築き、持続的な成果を生み出す営業手法です。表面的な要望にとどまらず、課題を深く掘り下げる姿勢は、顧客から「頼れるパートナー」として選ばれる要因になります。
さらに、長期的な関係性やリピート、紹介による新規獲得へとつながり、営業活動全体の質を高めます。御用聞きから一歩踏み出した提案型営業の実践は、受注率や売上の向上に直結する大きな武器となるでしょう。
提案型営業を浸透させるには、情報管理の効率化が欠かせません。
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入力したデータは自動でグラフ化されるため、チームの成果をひと目で確認でき、改善すべき点もすぐに把握できます。その結果、営業活動のPDCAをスピーディーに回せるようになり、チーム全体の提案力向上につながります。
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