フォーム営業の反応率は?成果を高める方法も紹介
フォーム営業とは、企業のウェブサイト上にある問い合わせフォームを通じて自社の営業活動を行う手法です。オンライン営業が普及するなか、新規顧客を開拓する方法として重要性が高まっています。
今回は、フォーム営業を実施した場合の反応率の目安をはじめ、フォーム営業の課題と反応率を高める方法を解説します。
目次[非表示]
- 1.フォーム営業の反応率はどれくらい?
- 2.フォーム営業をする上での課題
- 2.1.課題1 |顧客のニーズ把握が難しい
- 2.2.課題2|ライティングスキルが求められる
- 2.3.課題3 |フォームへの入力が負担に感じる
- 2.4.課題4|数をこなす必要がある
- 3.フォーム営業の反応率を高める方法
- 3.1.方法1 |顧客リストの精度を高める
- 3.2.方法2|タイトルを工夫する
- 3.3.方法3|効果的な文面を作成する
- 3.4.方法4|適切な時間帯に送信する
- 3.5.方法5|担当者や決裁者にアプローチする
- 4.まとめ
フォーム営業の反応率はどれくらい?
フォーム営業の反応率は、1~2%程度が目安といわれています。
一般に反応率とは、DMの発送数やメールの送信数、ユーザーが広告に接触したリーチなどのうち、資料請求や問い合わせ、申し込みなどの反応があった顧客数の割合です。デジタル広告分野では、CVR(コンバージョン率)やエンゲージメント率などを指標にします。
フォーム営業以外の営業・広告手法における反応率は下記の通りです。
営業・広告形態 |
反応率 |
補足 |
検索連動型広告 |
2~12% |
CVR(クリック数÷コンバージョン数×100)の目安。業界によって数値に開きがある |
メール広告 |
3~5% |
メール開封数のうち、メール内のリンクをクリックした数の割合 |
DM・チラシ |
0.5〜1.0% |
既存顧客の場合は約5~15% |
X広告(旧Twitter) |
0.3〜1.0% |
企業アカウントの平均的なエンゲージメント率(1つの投稿に対して、「いいね」や「シェア」などの反応がどの程度あったかを示す指標)。エンゲージメント率の計算方法は各SNSで異なる |
Facebook広告 |
0.5〜2.0% |
|
Instagram広告 |
1.0〜3.0% |
|
Fax DM |
約0.1% |
発送数のうち、反応があった割合 |
広告費が要らず、低コストであることを勘案すると、フォーム営業は、ほかの営業・広告形態と比べて費用対効果が良い営業手法です。
反応率が比較的良い主な理由として、[編集者9] 迷惑メールとして削除されないため、閲覧率が高いことがあげられます。フォームを閲覧した受付担当者から関連部署の担当者や決裁者へ引き継ぎされやすく、結果として何らかの反応につながる可能性が高い傾向にあります。
自社の商品・サービスの有益性を理解できる人物や、決定権を有する人物との直接交渉が効果的である点は、オフラインの営業活動と同様です。送信先企業のニーズや現状の把握が容易になり、営業活動の質を高められます。
また、フォーム営業を行うにあたって、電話番号やメールアドレスなどの連絡先を収集する必要もありません。送信先企業から返信をもらう形で接点をもてるので、スムーズに商談へ入れる点もメリットといえます。
フォーム営業をする上での課題
企業のフォームから情報を入力するだけでアプローチできるフォーム営業は、簡単なようにみえて、下記のような課題もあります。
課題1 |顧客のニーズ把握が難しい
フォームの送信先企業は、業種やエリア、規模などの条件で選定される場合が大半です。限られた情報のみを基にするため、真の顧客ニーズを把握することが難しいケースもあります。
たとえ関連部署の担当者や決裁者にフォームを閲覧されたとしても、送信先企業のニーズに合致する商品やサービスを提案できていなければ、思うような反応は得られません。
つまり顧客ニーズが把握できていない状態で、手当たり次第にフォームを送信すれば、時間や手間ばかりがかかり、営業効率が悪化するリスクもあるのです。
フォーム営業を効率的に進めるためにも、自社の商品・サービスで解決できるニーズや課題をもった顧客に絞り込むことで、顧客リストの精度を高めるプロセスが必須といえるでしょう。
課題2|ライティングスキルが求められる
フォーム営業で成果を出すには、自社の紹介や商品・サービスの魅力を簡潔にわかりやすく伝えるライティングスキルが欠かせません。送信先企業との唯一の接点がフォームの内容となるため、タイトルや文章を読んで興味関心を促せなければ、自社が望む反応を得ることは困難です。
多くの場合、送信先企業の担当者は面識のない相手です。開封率や反応率を高めるには、できるだけ不信感を抱かせないようにしなければなりません。
誤字脱字のないフォーマルな文章を基本に、顧客のニーズや欲しい情報にフォーカスした文章を心がけましょう。魅力的なタイトルやキャッチコピーで、顧客の興味関心を引きつける工夫も開封率や反応率を高める上での重要なポイントです。
課題3 |フォームへの入力が負担に感じる
フォームは営業メールのように一括送信できないので、手作業が基本です。送信先企業が多くなるほど、入力作業の負担は重くなります。
企業によっては、フォームの記入項目が異なるだけでなく、カスタマーサポート専用、メディア専用などのように、複数のフォームがあるケースもみられます。その都度、適切な窓口を見極め、その企業が求める形式で入力しなければなりません。
このようにフォーム送信には時間と手間がかかることから、入力テキストの事前準備だけでなく、場合によってはスタッフの増員なども検討する必要があります。
課題4|数をこなす必要がある
フォーム営業の成果を左右するのは、送信数の多さです。先述した通り、フォーム営業の反応率は1~2%程度といわれています。つまり1~2件の反応を得るために100件以上フォームを送信しなければならない計算となります。
送信先が多くなるほど入力作業の負担が増えることを考えれば、業務を効率化して労力や作業時間を削減する工夫は必須といえるでしょう。送信作業にかけた時間を無駄にしないためにも、顧客リストの質を維持することで、反応率を高める視点も欠かせません。
フォーム営業の反応率を高める方法
それでは、具体的にどのような方法で顧客の反応を促せるのでしょうか。次に、フォーム営業の反応率を高める方法を紹介します。
方法1 |顧客リストの精度を高める
反応率を向上させる効果的な方法として、顧客リストの精度を高めることがあげられます。自社の商品・サービスで解決できるニーズや課題を抱え、競合他社との比較検討に入っている企業のみに絞り込めれば、反応率のアップを望めるからです。
精度の高い顧客リストを作成するには、次のようなオンライン上の顧客行動[編集者15] に着目すると良いでしょう。
・自社サイト内の訪問・閲覧履歴
・フォームやチャットボットの入力内容
・提携先の比較サイト、口コミサイトの訪問・閲覧履歴
さらに、各種ツールを活用すれば、多様な検索軸を用いた顧客リストの作成のほか、自社や競合のサービスをはじめ、関連分野のキーワードを検索している企業のデータも取得できます。
方法2|タイトルを工夫する
営業フォームの反応率を上げるためにも、まずは閲覧してもらう必要があります。閲覧の確率を高める方法として、人の目に触れる機会が多いタイトルを一瞬で目を引くように工夫することが効果的です。
「お問い合わせ」「営業のご案内」「お得な情報」といった読み手へのメリットがわかりづらいタイトルは、見る方の興味関心を引き出せません。
そのため、下記のように数字や強調などを使用しながら、具体的にわかりやすくアピールポイントやベネフィットを訴求する必要があります。
・生産性向上に貢献するソリューションのご提案
・【今だけ2割引】次世代業務効率化ツールのご案内
・最新情報:成約率アップに役立つマーケティング戦略
方法3|効果的な文面を作成する
文章はフォーム営業の成果を左右する重要なファクターです。下記のようなフォームの文章は、たとえ閲覧されたとしても反応につながらない可能性があるので、注意しましょう。
・キャッチコピーに商品・サービスの特徴が反映されていない
・顧客が次に取るべきアクションを明確に示していない
・返信先のメールアドレスやクリックしてほしいURLに誤りがある
フォームの文章は、構成や送信内容などを事前に決めて、フォーマット化しておくことで作業を効率化できます。必要最低限伝えなければならない内容は、どの企業にも共通する場合が多いからです。
構成や送信内容がある程度決まっていれば、あとは企業の規模や業態などに応じてカスタマイズをするだけで済むため、作業時間を短縮できます。フォーム営業の反応率を高めるには、次のような文章構成や内容が効果的です。
1.社名や部署名を含む自己紹介
2.どのような目的で連絡したのか
3.自社の特徴、商品・サービスのセールスポイント、実現できることなどを数値や事例を交えて紹介する
4.キャンペーンやトライアル情報などを提示し、自社の商品・サービスを利用しない場合の不利益やリスクを伝える
5.資料のダウロードやアポイントメントなど、次のアクションを示す
説明が不十分だと、文章の意図や商品・サービスの良さが伝わらないばかりか、不信感を与えるリスクもあります。成果につなげるためにも効果検証を実施し、文章の推敲や改善をくり返し、丁寧でわかりやすい内容となるように努めましょう。
方法4|適切な時間帯に送信する
顧客がオンラインで作業する時間帯に送信することで、フォームの閲覧率は高まります。送信に適した時間帯は、平日の8時から11時の間です。この時間帯に新着としてフォームが届けば、受付担当者の目にとまる可能性が高くなります。
ただし、月曜日の午前中は避けたほうが良いでしょう。土曜日、日曜日を挟んでいるので、メールや問い合わせの対応がたまっている可能性が高いからです。そのほか、午後の仕事が落ち着き始める15時頃もおすすめの時間帯です。
方法5|担当者や決裁者にアプローチする
自社の商品・サービスと関連する部署の担当者や決裁者に情報が届けば、フォーム営業の反応も得やすくなります。
具体的には、受付担当者からみて、直属の上司や関連性の高い部署に判断を仰がなければならない内容にする方法が考えられます。例えば、売り上げアップやコスト削減、仕事の効率化などにつながる内容が有効です。
加えて、送信先企業が組織図や部署情報などをデータベース化し公開している場合、事前に決裁者と思われる人物を推測し、その人物宛てにフォームを送るのもひとつの方法です。
ところで、フォーム営業を円滑に進めるための前提として「送信先企業に迷惑がかからないか」という視点は、常に意識しなければなりません。
例えば送信窓口を間違うと、クレームにつながるリスクもあるので十分に注意しましょう。フォーム営業は、カスタマーサポートや注文の窓口などではなく、総合窓口を中心に行います。
また、フォーム送信後に頃合いを見計らって架電すると、フォーム営業の効果を高められます。
まとめ
フォーム営業は、低コストで成果を期待できる手法ですが、課題も多く存在します。フォーム営業で成果を出すには、顧客ニーズを把握するほか、効果的なライティングや送信数などが欠かせません。
フォーム営業を成功させるためにも、見込み顧客の目を惹くようなタイトルや文面を作り、適切な時間帯に送信するよう心がかけましょう。
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