営業の成約率を向上させるには?原因を踏まえた改善方法を解説
営業部門にとって、成約率を上げることは重要な使命です。しかし、「成約率が思うように上がらない」「営業パーソンによって成約率に差がある」など、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、営業の成約率が上がらない原因と改善方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.【前提知識】成約率とは
- 2.成約率が向上しない原因
- 2.1.営業活動が属人化している
- 2.2.営業活動の優先順位付けができていない
- 2.3.顧客のBANTを把握・社内共有できていない
- 3.成約率を向上させる方法
- 3.1.営業プロセスを可視化・標準化する
- 3.2.営業目標を細分化する
- 3.3.確度の高い顧客を見極めてアプローチする
- 3.4.顧客課題のヒアリングを優先する
- 3.5.クロージングテクニックを活用する
- 3.5.1.テストクロージング
- 3.5.2.ドア・イン・ザ・フェイス
- 3.5.3.イエスセット話法
- 4.成約率の向上にはSFAの活用もおすすめ
- 5.まとめ
【前提知識】成約率とは
成約率は、商談数に対して成約(受注)に至った件数の割合を示す指標です。「受注率」と呼ばれることもあります。成約率は営業活動の成果を分析・評価する際に活用され、自社のなかで成果を上げている営業パーソンを発見するのに役立ちます。
また、成約率を分析することで、ニーズの高い顧客層を見極められたり課題のあるプロセスを特定したりすることが可能です。
ここでは、成約率の計算方法や平均値について解説します。
成約率の計算方法
成約率は下記の計算式を用いて算出します。
・成約率=成約件数÷提案数(商談数)×100
例えば、成約件数が10件、提案数が50件であれば、成約率は20%です。
成約率の平均値
成約率の平均値は30〜50%程度です。つまり、2〜3回提案して1件の成約を取るのが目安です。ただし、業界や営業方法によっても成約率の平均値は大きく変動します。例えば、自動車や不動産などの単価の大きい商材を扱う場合、1件の成約を取るのも簡単ではありません。
また、商談に至るまでのプロセスで、自社の商品やサービスを購入する見込みの高い顧客からアポイントを取れるかも重要です。確度の低いリードばかりが商談になれば、成約率は低くなってしまいます。
成約率が向上しない原因
「成約率が向上しない」と悩んでいる場合は、原因を探ることが大事です。下記に該当していないかチェックしてみてください。
営業活動が属人化している
営業活動にマニュアルや決まったフローがなく、各営業パーソンに任せている場合は、属人化が起こり、営業成績に差が生まれやすくなります。営業スキルの低い社員が、営業成績を上げるには、自力で試行錯誤しなければなりません。営業成績を自力で上げようと努力することは悪いことではありませんが、効率的ではない場合があります。
また、営業活動が属人化すると、営業パーソンが退職・休職する際に顧客情報をうまく引き継げなくなるでしょう。きちんと引き継ぎができないと顧客からの信用を失い、継続的に取引できなくなる可能性があります。
営業成績が優秀な社員の営業ノウハウやコツを社内に共有して、営業部門全体の営業力を底上げすることが大事です。営業成績で伸び悩んでいる社員も、営業フローを社内で共有し、問題点を分析してもらうと良いでしょう。
営業活動の優先順位付けができていない
成約率を上げるには、ホットリード(確度の高い見込み顧客)の優先順位を上げて営業活動することが大事です。優先順位を見極められておらず、コールドリード(確度の低い見込み顧客)ばかりと商談していては、成約率は上がりません。
まずはカスタマージャーニーマップから営業活動の優先順位を付けましょう。カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを購入するまでのプロセスや各プロセスにおける行動パターンのことです。顧客の思考や感情も踏まえてカスタマージャーニーマップを分析し、ホットリードとコールドリードを見極めましょう。
また、ヒアリングから商談につなげるマーケティング部門ともコミュニケーションをしっかりと取り、営業戦略を立てることが大事です。
顧客のBANTを把握・社内共有できていない
BANT(顧客情報)とは、受注確度を上げるために用いられる法人営業のフレームワークのことです。「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ・需要)」「Time frame(導入時期)」の頭文字からきており、それぞれの項目をヒアリングして受注確度を上げることが重要とされています。
例えば、「Budget(予算)」は製品やサービスを購入する予算を表します。顧客の予算をヒアリングすることで、その価格帯に合った製品・サービスの提案が可能です。
「Time frame(導入時期)」は、製品やサービスを導入する時期を表します。導入時期が未定の場合は、「受注確度が低い」といった判断が可能です。一方で、導入時期が早い場合は受注確度も高く、競合他社に先を越される前にアプローチをかけたほうが良いといえるでしょう。
このようにBANTを把握し、社内で共有すれば、成約率を上げるための営業活動が可能です。
成約率を向上させる方法
ここでは、成約率を上げる方法を5つ紹介します。
営業プロセスを可視化・標準化する
成約率が上がらない原因を探るために、営業プロセスを可視化することが大事です。各営業パーソンが「どのように営業活動しているのか」を可視化することで、どの工程に問題があるのかを分析・評価できます。
営業プロセスには、基本的な6つのフェーズがあります。
・リード選定
・アポイント獲得
・商談
・クロージング
・受注
・顧客維持
成約率が低いということは、リード選定〜クロージングまでのフェーズで何かしらの問題がある可能性が高いといえます。
各営業パーソンの営業プロセスを可視化・分析し、問題点を改善していけば、標準化につながります。属人化を防ぎ、営業部門全体の営業力を底上げできるでしょう。
営業目標を細分化する
大きな目標を達成する際には、スモールゴールを設定することが大事とされています。例えば、「成約率を50%にする」というのが最終目標としましょう。その目標を達成するために「10件の商談を獲得する」→「10件の商談を獲得するために電話のアプローチ数を100件まで上げる」といったように小刻みな営業目標を立てます。
営業目標を細分化することで、営業パーソンは最終目標の達成に向けた具体的な行動が取りやすくなります。また、スモールゴールの達成によって小さな達成感を味わうことができ、モチベーションの維持・向上につながる点もメリットです。
確度の高い顧客を見極めてアプローチする
リード選定で受注確度の高い顧客を見極められなければ、成約率は上がりません。「顧客情報を分析できていない」「マーケティング部門との連携ができていない」など、リード選定のフェーズでどのような問題があるのかを分析してみましょう。
受注確度の高い顧客を見極めたら、優先順位を付けていきます。そして優先順位の高い順にアプローチしていきましょう。
顧客課題のヒアリングを優先する
商談では、顧客のニーズを把握できていないと最適な提案はできず、成約にはつながりません。まずは聞き手に徹し、顧客が抱える課題やニーズをヒアリングして引き出しましょう。
また、丁寧なヒアリングによって「この担当者は自社に寄り添ってくれる」「親身に話を聞いてくれる」など、良い印象を与えて顧客との信頼関係も構築できます。
ヒアリングした内容は記録として残しておき、社内に共有しましょう。1回の商談で成約に至らなくても、次回以降の商談でヒアリングした記録が役に立つ場合があります。また、成約した後も顧客との継続的な関係を築く上で、ヒアリングした記録を活かせる場面があるでしょう。
クロージングテクニックを活用する
クロージングは商談の最終段階です。クロージングの出来によって成約率が大きく変化するため、テクニックやコツを習得しておくと良いでしょう。クロージングには下記のテクニックが活用できます。
テストクロージング
テストクロージングは、顧客の購入意思がどの程度かを確認することです。例えば、「弊社のサービスが御社の課題を解決できそうでしょうか」「紹介した商材の中で、御社に見合った商材はありますか」などと問いかけます。反応が良ければそのままクロージングに向かい、悩んでいる場合は、その理由をヒアリングして解消するための提案・調整をします。
ドア・イン・ザ・フェイス
ドア・イン・ザ・フェイスとは、最初に高い要求をして、断られた後に低い要求をするテクニックのことです。例えば、「最初は高い金額の商品を勧め、断られたら金額を少し下げて提案する」といったことを繰り返し、徐々に要求のレベルを下げていきます。これにより、顧客に「交渉によって安い金額にできた」といったお得感を与えられ、成約を獲得しやすくなります。
イエスセット話法
イエスセット話法とは、相手からの「イエス(はい)」の返事を重ねることで、同意を得やすくするテクニックのことです。心理学では、イエスを繰り返していくと、次第に「ノー(いいえ)」といいにくくなるとされています。この心理を活用して、最終的な提案・交渉の前に、イエスがもらえる質問を積み重ねておけば、成約につながりやすくなります。
成約率の向上にはSFAの活用もおすすめ
成約率が低いのは、営業パーソンのスキル不足やリード選定のミスなど、複数の要因が絡んでいることがほとんどです。成約率を向上させるために、営業プロセスを可視化し、社内で情報共有して適切な営業戦略を立てましょう。
営業プロセスの可視化には、「SFA(営業支援システム)」が適しています。SFAを活用することで営業プロセスや顧客情報を一元管理でき、社内で情報共有が可能です。また、属人化を防ぎ、業務効率化につなげられるため、成約率改善を狙えるでしょう。
SFAをお探しの方は、「SALES GO ISM」がおすすめです。SALES GO ISMは、顧客管理からデータ分析、営業リストの作成まで、営業活動に必要な機能を厳選した業界最安値の営業管理クラウドサービスです。顧客台帳・インサイドセールス管理・企業データ・SFA機能を融合しており、営業活動の効率化に役立てられます。
機能と価格、使いやすさにこだわっているほか、導入後のサポート体制も万全です。ぜひご利用ください。
SALES GO ISMへのお問い合わせはこちら
まとめ
成約率は、商談数に対して成約に至った件数の割合を表す指標です。成約率を高めることは、企業の売上アップにつながります。成約率で悩んでいる場合は、営業活動が属人化していたり、顧客のBANTを把握できていなかったりする可能性が高いといえます。原因を突き止めて、早期に対策を講じましょう。