営業の業務改善を効率良く進める「6つのSTEP」とポイント
営業活動が非効率であったり、質が悪かったりすると、安定した利益を確保できません。「営業活動が属人化している」「無駄な作業が多い」「生産性が落ちている」といった問題を抱えている場合は、対処が必要です。
今回は、営業の業務改善を効率良く進める方法とポイントを紹介します。
目次[非表示]
- 1.営業の業務改善を効率良く進めるための手順
- 1.1.【STEP1】業務改善の目的を明確にする
- 1.2.【STEP2】業務内容・プロセスを見える化する
- 1.3.【STEP3】業務の課題を洗い出す
- 1.4.【STEP4】課題に優先順位をつける
- 1.5.【STEP5】改善策を作成・実施する
- 1.6.【STEP6】改善策の評価をする
- 2.営業の業務改善をする際に意識したいポイント
- 2.1.営業プロセスを標準化する
- 2.2.成約までの工程や工数を削減する
- 2.3.顧客管理を行う
- 3.営業の業務改善に役立つアイデア4選
- 3.1.業務の一部を外部委託する
- 3.2.業務マニュアルを作成する
- 3.3.インサイドセールスを導入する
- 3.4.SFAを導入する
- 4.まとめ
営業の業務改善を効率良く進めるための手順
ここでは、営業の業務改善を効率良く進めるための手順を6つのSTEPに分けて解説します。
【STEP1】業務改善の目的を明確にする
組織で一丸となって業務改善に取り組むためには、目的を明確にすることが重要です。
まずは、業務改善が必要となった経緯や背景を洗い出してみましょう。例えば、「業務が属人化して新入社員が育たない」「営業に割く時間がない」などがあげられます。
目的を明確にすることは、改善状況を振り返る際にも役立ちます。
【STEP2】業務内容・プロセスを見える化する
課題や問題点を洗い出すためには、現状を把握する必要があります。「どのような業務があり、どのくらいの時間がかかっているのか」など、現在の業務内容やプロセスを見える化してみてください。
業務フローやマニュアルがある場合は、「情報が古くなっていないか」「機能しているのか」などもチェックしましょう。
また、コア業務とノンコア業務を分けることも大切です。コア業務は「主業務」とも呼ばれ、「事業活動の根幹となる業務」あるいは「利益に直結する業務」を指します。
一方でノンコア業務は、利益に直結しない補助的な業務を指します。
営業の場合、商談や電話対応、トラブル対応などがコア業務です。資料作成や請求書の作成などはノンコア業務に分類できます。
【STEP3】業務の課題を洗い出す
業務内容やプロセスを明確にした後は、具体的な課題を洗い出します。例えば、「営業からの報告の仕方が統一されていない」「言った、言わないが発生している」「成績が上がらない社員が多い」などです。課題が浮き彫りになれば、対策も立てられます。
すぐに改善できない課題が出てくることもありますが、一度すべての課題を書き出してみましょう。営業活動を効率化するためには、一つひとつの課題に向き合うことが大切です。
【STEP4】課題に優先順位をつける
課題はひとつだけでなく複数出てくることもあり、基本的にすべて対処する必要があります。とはいえ、課題の数が多い場合、一度にすべて対処するのは賢明ではありません。重要度やコストパフォーマンスなどを考慮して課題に優先順位を付け、ひとつずつ改善しましょう。
例えば、「顧客からのクレームが多い」といった課題は、すぐにでも対策が必要だといえます。クレーム対応はコア業務に分類され、利益に直結する重要度の高い業務であるためです。
また、「紙やエクセルでの数字報告に手間が生じている」といった場合、ITツールを導入すればすぐに改善できる可能性が高いため、優先順位を上げても良いといえるでしょう。
【STEP5】改善策を作成・実施する
優先順位を決め、どの課題から解決に向けて取り組むか明確になったところで、具体的な改善策と計画を練ります。「何を」「いつ」「誰が」「どのように取り組むのか」「いつまでに改善するのか」を決め、計画書にまとめましょう。改善策が曖昧なままだと、取り組むことを忘れたり、後回しにしてしまったりします。
また、改善目標を立てる際には、具体的な数値で示すことも重要です。例えば、「レポート作成の時間を短縮する」といった曖昧な目標は、効果測定がしにくいといえます。
「レポート作成の時間を月に1時間短縮する」といったように具体的な数値で記載することで、仮に達成できなかった場合でも、「あと20分足りなかった」など、どのくらい目標に届かなかったのかが明確になります。改善策を実施するうえでのモチベーションにも関わるため、目標は数値を用いて具体化しましょう。
【STEP6】改善策の評価をする
改善策を実施して終わりではありません。改善策を評価し、次回以降に役立てることが重要です。改善がうまくいった場合は、正しいアプローチができていたといえます。他部署にも成功のノウハウを共有しましょう。
改善につながらなかった場合には、改善案に何かしらの問題があるといえます。なぜうまくいかなかったのか、原因を突き止めて新しい改善案を練ります。こうして何度も「改善策の実施」→「評価」→「改善案の練り直し」を繰り返し、課題解決に向けて粘り強く努力することが大切です。
営業の業務改善をする際に意識したいポイント
営業の業務改善のために、意識したいポイントを3つ紹介します。
営業プロセスを標準化する
組織全体の営業力を強化するには、営業プロセスを標準化することが大切です。営業プロセスの標準化とは、誰もが同じような成果が出せるように手順を最適化して社内に浸透させることです。
営業プロセスが標準化されていないと、人それぞれの方法で営業を進めてしまい、品質や成績にばらつきが生じます。また、業務が属人化しやすくなる点にも注意が必要です。
営業プロセスを標準化することで、個々のスキルに依存しなくなり、組織としての営業力を底上げできます。
成約までの工程や工数を削減する
生産性アップや効率化のためには、成約までの工程や工数を削減する必要があります。工程や工数を削減することで、多くの顧客にアプローチできたり、別の業務に時間を回せたりします。成約までに無駄な工程や工数がないか、営業プロセスを振り返って洗い出してみましょう。
営業活動は個人プレーが基本であることから、個々のスタッフがどのように営業しているのかを把握できていないケースも少なくありません。それぞれのスタッフがどのように営業しているのか、個別にヒアリングすることが重要です。そして、省略できる工程や工数が見つかった場合には、削減するための策を提案しましょう。
顧客管理を行う
適切に顧客管理できていると、必要な情報をすぐに取り出すことができ、営業の効率化につながります。また、成約につながりそうな顧客を分析し、効果的な提案材料を用意して営業をかけることも可能です。過去に取引があったものの、現在は長くコンタクトを取っていない休眠顧客に対しても、再びアプローチできます。
反対に顧客管理が適切でないと、提案のタイミングを逃してしまい、売上が思うように上がらなくなってしまうのです。
顧客との過去のやり取りがきちんと共有されていないと、信頼を損ねてしまう可能性があります。属人化を防ぐためにも、営業に関わるスタッフ全員が顧客情報を把握できるよう、体制を整えることが重要です。
顧客情報を一元管理する方法としては、「CRM(顧客関係管理システム)」や「SFA(営業支援システム)」といったITツールの導入が効果的といえます。
営業の業務改善に役立つアイデア4選
ここでは、営業の業務改善に役立つアイデアを4つ紹介します。
業務の一部を外部委託する
営業人員やノウハウが不足している企業は、営業代行を利用するのがおすすめです。営業代行は、アポイントの獲得から商談、顧客フォロー、リスト作成など、企業に代わって営業活動を代行してくれるサービスです。
営業代行サービスは、営業に関するノウハウを熟知しているため、うまく活用することで自社の売上アップが期待できます。
また、営業代行サービスの利用は、コスト削減につながる点もメリットです。新たに営業人員を雇用する場合は、採用や教育に多くの時間とコストがかかりますが、営業代行サービスを利用することで、必要な人材を確保することが重要です。
ただし、自社に営業ノウハウが蓄積されない点には注意が必要です。
業務マニュアルを作成する
営業活動の進め方や必要な知識、ルールを明記した「業務マニュアル」を作成することも業務効率化に役立ちます。業務マニュアルが整備されていると、業務の引き継ぎや新人教育がスムーズになるほか、営業成績のバラつきを防ぐことも可能です。
営業プロセスの標準化にもつながり、指導担当者から営業スタッフへのフィードバックの質も上がります。
インサイドセールスを導入する
人手不足の解消や業務を効率化する方法として、インサイドセールスの導入が有効です。インサイドセールスとは、客先に訪問する「フィールドセールス」とは異なり、電話やメール、オンライン会議ツールなどを使用した非対面の営業アプローチのことです。
インサイドセールスを活用することで、客先に訪問する時間や費用を削減でき、1日あたりの商談数を増やせます。
SFAを導入する
営業支援システムのSFA(Sales Force Automation)を導入することで、「顧客管理」「案件管理」「商談管理」など、営業活動に関するさまざまな情報の管理ができます。また、営業プロセスの見える化や効率化、標準化につながる点もメリットです。
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まとめ
営業の業務改善を効率良く進めるためには、目的や現場の課題を明確にすることが重要です。課題が複数ある場合も、優先順位を付けて一つひとつ改善していきます。改善策を実施した後は、分析や評価をして、次回以降の営業活動に役立てましょう。