
営業資料の作り方|成果につながる構成テンプレートと作成のコツ
「営業資料を作っても、顧客の反応が薄い」「サービスの説明はできているのに、次の商談につながらない」と悩んでいないでしょうか。
成果につながる営業資料は、商品やサービスの情報を並べただけの会社案内ではありません。顧客が抱えている課題を整理し、解決方法に納得してもらい、社内での比較検討や意思決定を進めるための資料です。
そのため、営業資料を作るときは「自社が何を伝えたいか」ではなく、「顧客が判断するために何を知りたいか」という視点が欠かせません。
この記事では、営業資料を作成する前の準備から、基本の構成、具体的な作成手順、伝わりやすくするコツまで解説します。すぐに使える構成テンプレートも紹介するため、営業資料の新規作成や見直しにお役立てください。
目次[非表示]
- 1.営業資料とは
- 2.営業資料と提案書・会社案内の違い
- 3.営業資料が重要な3つの理由
- 4.営業資料を作る前に整理する4つのこと
- 4.1.1.誰に向けた資料なのか
- 4.2.2.どの営業フェーズで使うのか
- 4.3.3.顧客の課題と目指す状態は何か
- 4.4.4.資料を読んだ後に取ってほしい行動は何か
- 5.営業資料の基本構成
- 5.1.1.表紙
- 5.2.2.提案の要約
- 5.3.3.顧客の現状と課題
- 5.4.4.課題が発生している原因
- 5.5.5.解決の方向性
- 5.6.6.商品・サービスの概要
- 5.7.7.導入後の活用イメージ
- 5.8.8.期待できる効果
- 5.9.9.選ばれる理由・比較
- 5.10.10.導入事例
- 5.11.11.料金・費用対効果
- 5.12.12.導入スケジュール・サポート体制
- 5.13.13.よくある質問
- 5.14.14.次のステップ
- 6.営業資料の作り方6ステップ
- 6.1.STEP1.ヒアリング内容を整理する
- 6.2.STEP2.提案の中心となるメッセージを決める
- 6.3.STEP3.スライドの構成を作る
- 6.4.STEP4.根拠となる情報を集める
- 6.5.STEP5.各スライドを作成する
- 6.6.STEP6.顧客の立場で見直す
- 7.伝わる営業資料を作る7つのコツ
- 7.1.1枚のスライドで伝えることを1つに絞る
- 7.2.見出しだけで結論が伝わるようにする
- 7.3.顧客が使った言葉を取り入れる
- 7.4.機能ではなく顧客にとっての効果を伝える
- 7.5.数字には比較対象と根拠を付ける
- 7.6.図や表を使って情報を整理する
- 7.7.次に取ってほしい行動を明確にする
- 8.営業資料でよくある失敗例
- 8.1.自社や商品の説明から始めている
- 8.2.どの顧客にも同じ資料を使っている
- 8.3.情報を詰め込みすぎている
- 8.4.デザインに時間をかけすぎている
- 8.5.数字や事例に根拠がない
- 8.6.顧客の懸念点に答えていない
- 9.そのまま使える営業資料の構成テンプレート
- 9.1.1ページ目:表紙
- 9.2.2ページ目:本日のご説明内容
- 9.3.3ページ目:ご提案の要約
- 9.4.4ページ目:現在の状況
- 9.5.5ページ目:発生している課題
- 9.6.6ページ目:課題の原因
- 9.7.7ページ目:解決の方向性
- 9.8.8ページ目:商品・サービスの概要
- 9.9.9ページ目:導入後の業務イメージ
- 9.10.10ページ目:期待できる効果
- 9.11.11ページ目:選ばれる理由
- 9.12.12ページ目:導入事例
- 9.13.13ページ目:料金・費用対効果
- 9.14.14ページ目:導入スケジュール
- 9.15.15ページ目:次のステップ
- 10.営業資料を組織の営業力向上につなげる方法
- 10.1.商談で出た質問を記録する
- 10.2.商談が進んだ資料の共通点を確認する
- 10.3.失注理由を資料の改善に活かす
- 10.4.顧客情報と提案内容を一元管理する
- 11.営業資料の作り方に関するよくある質問
- 11.1.営業資料は何ページくらいが適切ですか?
- 11.2.営業資料はPowerPointとPDFのどちらで作るべきですか?
- 11.3.営業資料のテンプレートは使い回してもよいですか?
- 11.4.営業資料と商談用のプレゼン資料は分けるべきですか?
- 11.5.営業資料はどのくらいの頻度で更新すべきですか?
- 12.まとめ
営業資料とは

営業資料とは、顧客に自社の商品やサービスを説明し、導入を検討してもらうために使用する資料です。
一般的には、PowerPointやGoogleスライドなどで作成し、商談時の画面共有や訪問先での説明、商談後の送付資料として使用します。
営業資料の役割は、単に商品やサービスの機能を説明することではありません。
顧客が抱えている課題と目指す状態を整理し、自社の商品やサービスがどのように役立つのかを理解してもらい、次の行動につなげることが本来の目的です。
たとえば、営業資料を見た顧客に、次のような状態になってもらう必要があります。
- 自社の課題が整理できた
- 課題を解決する必要性を理解できた
- 提案された解決方法に納得できた
- 導入後の状態を具体的に想像できた
- 社内の関係者に提案内容を説明できる
- 次回の打ち合わせや見積もりに進みたい
説明中は理解してもらえても、資料だけを読み返したときに内容が伝わらなければ、社内検討は進みません。営業担当者がその場にいなくても、提案内容が伝わる資料を目指しましょう。
営業資料と提案書・会社案内の違い
営業資料、提案書、会社案内は混同されることがありますが、それぞれ目的が異なります。
営業資料は、営業活動で使用する資料全般を指す言葉です。その中でも、特定の顧客の課題や要望に合わせて作成する資料が提案書です。
初回商談では汎用的なサービス紹介資料を使い、顧客の課題が明確になった段階で個別の提案書を作成するなど、営業フェーズによって使い分けましょう。
顧客の課題を起点として解決策を提案する営業手法については、提案営業とは?メリットや流れを理解して成果を上げるコツでも詳しく解説しています。
営業資料が重要な3つの理由

1.商品やサービスをわかりやすく伝えられる
形のないサービスや複雑な商品は、口頭だけでは仕組みや違いを理解してもらいにくいことがあります。
営業資料に図や表、利用イメージを入れることで、情報を視覚的に整理できます。顧客と同じ資料を見ながら説明できるため、認識のずれを防ぐことにもつながります。
ただし、資料に情報を詰め込めばよいわけではありません。口頭で補足する内容と、資料だけでも理解できる内容を分けて設計することが重要です。
2.顧客の社内検討を進めやすくなる
BtoBの商談では、商談に参加した担当者だけで導入を決定できるとは限りません。上司や経営層、利用部門、情報システム部門など、複数の関係者が検討に参加することがあります。
営業担当者が顧客の社内会議に同席できない場合、商談で使用した営業資料が提案内容を説明する役割を担います。
そのため、営業資料には、現場担当者が重視する使いやすさだけでなく、決裁者が確認したい費用対効果や導入リスク、情報システム部門が確認したい運用方法なども盛り込む必要があります。
3.営業活動の属人化を防げる
営業担当者ごとに使用する資料や説明内容が異なると、提案品質にもばらつきが生まれます。
標準となる営業資料を整備しておけば、経験の浅い担当者でも一定の順序と内容で説明できます。また、成果の出た提案方法を資料に反映することで、個人が持っている営業ノウハウを組織で共有できます。
営業活動の情報共有については、営業で情報共有するメリット|共有を定着させる方法もあわせてご覧ください。
営業資料を作る前に整理する4つのこと
営業資料の完成度は、スライドを作り始める前の準備で大きく変わります。
PowerPointを開く前に、次の4点を整理しましょう。
1.誰に向けた資料なのか
最初に、資料を読む相手を明確にします。
同じ商品を提案する場合でも、現場担当者、管理職、経営者では、関心を持つポイントが異なります。
現場担当者は操作性や日々の業務負担を重視する一方で、管理職は進捗管理やチーム全体への効果、経営者は費用対効果や経営課題への影響を重視する傾向があります。
次の項目を整理しておきましょう。
- 業種・業界
- 企業規模
- 部署・役職
- 実際の利用者
- 導入を判断する人
- 導入に影響する関係部署
- 相手が抱えている課題
- 相手が重視する判断基準
商談相手だけでなく、資料を後から読む可能性がある決裁者や関係部署も想定することが重要です。
2.どの営業フェーズで使うのか
営業資料は、使用する営業フェーズによって役割が変わります。
初回商談では、顧客の課題を整理し、商品やサービスに興味を持ってもらうことが中心です。比較検討の段階では、他社との違いや導入効果、料金、サポート体制などが求められます。
営業フェーズごとの活動を整理する方法については、営業プロセスとは?基本的なフェーズと可視化する際のポイントで解説しています。
3.顧客の課題と目指す状態は何か
営業資料を作る前に、顧客が現在抱えている課題と、解決後に実現したい状態を言語化します。
たとえば、「営業管理に時間がかかっている」という課題だけでは、提案内容を具体化できません。
次のように掘り下げます。
- どの業務に時間がかかっているのか
- 誰が困っているのか
- なぜその問題が起きているのか
- 現在はどのように対応しているのか
- 問題を放置すると何が起きるのか
- 解決後にどのような状態を目指しているのか
- いつまでに解決したいのか
課題を具体化できていない状態で資料を作ると、どの顧客にも当てはまる一般的なサービス紹介になってしまいます。
4.資料を読んだ後に取ってほしい行動は何か
営業資料には、読み手に取ってほしい次の行動を設定します。
たとえば、次のような行動です。
- 次回の商談日を決めてもらう
- 関係部署との打ち合わせを設定してもらう
- 見積もりを依頼してもらう
- 無料トライアルを申し込んでもらう
- 社内稟議を進めてもらう
- 契約内容を確認してもらう
資料の目的が決まっていないと、情報を説明するだけで終わってしまいます。
資料の最後には、「誰が・何を・いつまでに行うのか」がわかる次のステップを記載しましょう。

営業資料の基本構成

営業資料は、顧客の意思決定の流れに沿って構成することが重要です。
いきなり商品やサービスの機能を説明するのではなく、顧客の課題を確認し、解決の方向性を共有したうえで、自社の商品やサービスを紹介します。
基本となる構成は次のとおりです。
1.表紙
表紙には、資料のタイトル、提案先の企業名、自社名、作成日、担当者名を記載します。
「サービス紹介資料」だけでは、何を提案する資料なのか伝わりません。
顧客の課題や実現できる状態がわかるタイトルにしましょう。
タイトル例
- 営業活動の見える化による受注率向上のご提案
- 問い合わせ対応の効率化に向けたシステム導入のご提案
- 採用業務の工数削減と応募者対応改善のご提案
2.提案の要約
資料全体の結論を1ページで示します。
顧客の課題、提案内容、期待できる効果、費用やスケジュールの概要を簡潔にまとめます。
決裁者が最初から最後まで資料を読めるとは限りません。提案の要点を短時間で理解できるページを用意しましょう。
3.顧客の現状と課題
ヒアリングで確認した顧客の現状と課題を整理します。
顧客から聞いた言葉をそのまま並べるのではなく、「現状」「発生している問題」「業務や売上への影響」に分けると、課題の重要性が伝わりやすくなります。
顧客が自社の状況を正しく理解していると感じられる内容にすることが重要です。
4.課題が発生している原因
表面的な問題だけでなく、その問題がなぜ起きているのかを整理します。
たとえば、「営業情報が共有されていない」という問題の原因には、入力ルールが決まっていない、情報が複数のExcelに分散している、担当者ごとに管理方法が異なるなどが考えられます。
原因を明確にすることで、提案する解決策への納得感が高まります。
5.解決の方向性
商品やサービスを説明する前に、課題を解決するための考え方を示します。
たとえば、営業情報の分散が課題であれば、「顧客情報・案件情報・活動履歴を一元管理し、同じ情報を営業組織全体で確認できる状態をつくる」といった方向性を伝えます。
この段階では、細かな機能説明よりも、どのような仕組みで課題を解決するのかを示すことが大切です。
6.商品・サービスの概要
解決の方向性を実現する方法として、自社の商品やサービスを紹介します。
会社側が伝えたい機能をすべて並べるのではなく、顧客の課題解決に関係する機能を優先しましょう。
「何ができるか」だけでなく、「顧客の業務がどのように変わるか」まで説明します。
7.導入後の活用イメージ
実際に商品やサービスを導入した後の業務の流れを示します。
システムの場合は、画面のキャプチャや業務フローを使い、「誰が」「いつ」「どのように使うのか」を説明すると、導入後の状態をイメージしやすくなります。
導入前と導入後を比較する形式も効果的です。
8.期待できる効果
商品やサービスの導入によって期待できる効果を説明します。
効果は、次のように可能な限り具体化します。
- 作業時間の削減
- 対応漏れの防止
- 商談状況の可視化
- 情報共有の迅速化
- 提案品質の標準化
- 売上予測の精度向上
数字を使用する場合は、計算の前提や出典を明記しましょう。根拠のない数字は、資料全体の信頼性を下げる可能性があります。
9.選ばれる理由・比較
競合商品や現在の運用方法と比較し、自社の商品やサービスを選ぶ理由を説明します。
比較項目は、自社に有利なものだけを並べるのではなく、顧客が実際に重視している判断基準に合わせます。
価格、機能、サポート、導入期間、操作性、拡張性など、顧客の検討項目を整理して提示しましょう。
10.導入事例
提案先と業界、企業規模、課題が近い導入事例を紹介します。
事例は、次の順序でまとめると伝わりやすくなります。
- 導入前の課題
- 商品・サービスを選んだ理由
- 実施した内容
- 導入後の変化
- 今後の取り組み
顧客が自社と似た事例だと感じられるように、課題や利用方法を具体的に記載します。
11.料金・費用対効果
初期費用、月額費用、オプション費用などをわかりやすく示します。
複数の料金プランがある場合は、各プランの違いと、提案先にどのプランを推奨するのかを明記します。
金額だけを提示するのではなく、現在発生しているコストや作業時間と比較し、導入によってどのような効果が期待できるかも説明しましょう。
12.導入スケジュール・サポート体制
契約から利用開始までの流れを時系列で示します。
顧客側で必要な準備、自社が対応する内容、想定期間、担当者を整理すると、導入時の不安を軽減できます。
あわせて、導入後の問い合わせ窓口や研修、定着支援などのサポート体制も説明しましょう。
13.よくある質問
商談でよく聞かれる質問や、検討時に懸念されやすい点をまとめます。
たとえば、次のような質問です。
- 導入までにどのくらいかかるか
- 現在のデータを移行できるか
- 契約期間に決まりはあるか
- セキュリティに問題はないか
- 操作方法のサポートは受けられるか
- 既存システムと連携できるか
反対意見や懸念点を先回りして解消することで、社内検討を進めやすくなります。
14.次のステップ
資料の最後に、次のアクションを記載します。
「ご検討ください」だけではなく、次回の打ち合わせ内容や必要な確認事項を具体的に示しましょう。
記載例
- 次回打ち合わせ:〇月〇日
- 次回までの確認事項:利用人数、対象部署、既存データの件数
- 当社対応:正式見積もりと導入スケジュールの作成
- 貴社対応:関係部署への提案内容の共有
会社概要や詳細な機能一覧など、意思決定に直接関係しない情報は、資料の後半に参考資料としてまとめる方法もあります。

営業資料の作り方6ステップ
STEP1.ヒアリング内容を整理する
最初に、商談や問い合わせで得た情報を整理します。
顧客の発言をそのまま転記するだけではなく、次の項目に分けましょう。
- 現状
- 課題
- 課題の原因
- 課題による影響
- 目指す状態
- 導入条件
- 判断基準
- 懸念事項
- 導入時期
- 予算
- 意思決定者
情報が不足している場合は、資料を作り始める前に追加のヒアリングを行います。
STEP2.提案の中心となるメッセージを決める
次に、今回の提案で最も伝えたいことを一文でまとめます。
たとえば、「営業情報を一元管理し、案件の進捗と次に取るべき行動を組織全体で把握できる状態をつくる」といった内容です。
この中心メッセージと関係のない情報は、資料に入れすぎないようにしましょう。
STEP3.スライドの構成を作る
いきなりデザインを始めるのではなく、最初にスライドの見出しだけを並べます。
見出しを順番に読むだけで、提案の流れが理解できる状態が理想です。
構成を確認するときは、次の点をチェックします。
- 顧客の課題から始まっているか
- 課題と解決策がつながっているか
- 商品説明が長くなりすぎていないか
- 導入効果に根拠があるか
- 顧客の懸念点に答えているか
- 次の行動が明確か
STEP4.根拠となる情報を集める
提案内容を裏付ける情報を集めます。
使用できる情報には、次のようなものがあります。
- 顧客へのヒアリング内容
- 顧客の公開情報
- 自社の導入実績
- 類似企業の事例
- アンケート結果
- 業界データ
- 商品・サービスの利用データ
- 費用対効果の試算
数字や調査結果を使用する場合は、出典と調査時期を確認しましょう。
STEP5.各スライドを作成する
構成と根拠が揃ったら、各スライドを作成します。
1枚のスライドには、原則として1つのメッセージを設定します。最初に結論が伝わる見出しを書き、その根拠を本文や図表で説明します。
デザインよりも先に、文章の内容と情報の順序を整えることが重要です。
STEP6.顧客の立場で見直す
完成後は、作成者ではなく顧客の立場で見直します。
特に、商談に参加していない決裁者が資料だけを読んでも、次の内容を理解できるか確認しましょう。
- なぜ今取り組む必要があるのか
- どの課題を解決する提案なのか
- 具体的に何を実施するのか
- 導入すると何が変わるのか
- なぜこの会社を選ぶのか
- いくらかかるのか
- どのくらいの期間が必要か
- どのようなリスクがあるのか
- 次に何をすればよいのか
可能であれば、提案内容を知らない社内メンバーにも確認してもらいましょう。
伝わる営業資料を作る7つのコツ
1枚のスライドで伝えることを1つに絞る
1枚に複数の主張を入れると、読み手がどこに注目すればよいかわからなくなります。
「このページで最も伝えたいことは何か」を決め、それ以外の情報は削るか、別のページに分けましょう。
見出しだけで結論が伝わるようにする
「現状の課題」「サービスの特徴」といった項目名だけでは、ページの結論が伝わりません。
次のように、内容までわかる見出しにします。
修正前
現状の課題
修正後
営業情報が担当者ごとのExcelに分散し、案件の進捗を把握できていない
見出しを順番に読んだときに、資料全体のストーリーがわかる状態を目指しましょう。
顧客が使った言葉を取り入れる
顧客が商談で使った表現を資料に取り入れると、「自社のために作られた提案」と感じてもらいやすくなります。
ただし、発言をそのまま掲載するのではなく、意味が伝わるように整理して使用します。
機能ではなく顧客にとっての効果を伝える
商品やサービスの機能だけを説明しても、顧客は自社にどのようなメリットがあるのか判断できません。
機能と効果をセットで説明しましょう。
数字には比較対象と根拠を付ける
「作業時間を削減できます」「売上向上が期待できます」といった表現だけでは、効果の大きさが伝わりません。
一方で、根拠のない数字を使用することも避ける必要があります。
数字を示す際は、次の情報をセットにしましょう。
- 何と比較した数字か
- どの期間の数字か
- どの企業・部署の実績か
- どのように計算したか
- 出典はどこか
図や表を使って情報を整理する
複雑な仕組みや業務の流れは、文章だけで説明するよりも図や表にした方が理解しやすくなります。
特に、次の情報は図解に向いています。
- 導入前後の業務フロー
- 商品やサービスの仕組み
- 導入スケジュール
- 料金プランの比較
- 競合サービスとの違い
- 課題と解決策の関係
- 費用対効果
装飾を増やすことではなく、情報の関係をわかりやすくすることが図解の目的です。
次に取ってほしい行動を明確にする
営業資料を読み終えた後の行動が曖昧だと、顧客の検討が止まってしまいます。
資料の最後に、次回の打ち合わせ、見積もり、トライアル、関係者への説明など、具体的なアクションを提示しましょう。

営業資料でよくある失敗例
自社や商品の説明から始めている
営業資料の冒頭から会社概要や機能一覧を説明すると、顧客は「自社にどのような関係があるのか」を理解できません。
最初に顧客の現状や課題を示し、その課題を解決する方法として商品やサービスを紹介しましょう。
どの顧客にも同じ資料を使っている
業界、企業規模、役職、営業フェーズが異なれば、必要な情報も変わります。
基本となる資料を用意することは重要ですが、顧客の課題や検討状況に合わせて、事例、効果、比較項目、料金などを調整しましょう。
情報を詰め込みすぎている
伝えたい情報が多いほど、すべてを資料に入れたくなります。しかし、情報量が多すぎると、重要な内容が埋もれてしまいます。
商談中に説明する資料と、商談後に確認する詳細資料を分ける方法も有効です。
詳細な機能一覧や会社情報は、参考資料として後半にまとめましょう。
デザインに時間をかけすぎている
営業資料は、見た目が整っているだけでは成果につながりません。
先に提案の目的、顧客の課題、解決策、根拠を整理し、その後でデザインを整えます。
色や装飾を増やすよりも、余白、文字サイズ、配置、情報の優先順位を揃えることが大切です。
数字や事例に根拠がない
具体的な数字や導入事例は説得力を高めますが、根拠が不明確な情報は、かえって信頼を損なう可能性があります。
自社の実績を掲載する場合も、対象企業、期間、条件によって結果が異なることを踏まえて説明しましょう。
顧客の懸念点に答えていない
顧客が不安に感じている価格、導入負担、運用方法、セキュリティ、サポートなどが説明されていないと、検討が進みにくくなります。
商談で出た質問や失注理由を蓄積し、よくある懸念点を資料に反映しましょう。
そのまま使える営業資料の構成テンプレート
以下は、BtoB営業で利用しやすい営業資料の構成例です。
提案先や営業フェーズに合わせて、ページの追加や削除を行ってください。
1ページ目:表紙
見出し例
営業活動の見える化と受注率向上に向けたご提案
記載内容
- 提案先企業名
- 資料タイトル
- 提案日
- 自社名
- 担当者名
2ページ目:本日のご説明内容
記載内容
- 貴社の現状と課題
- 課題解決の方向性
- ご提案内容
- 導入後の効果
- 費用・導入スケジュール
3ページ目:ご提案の要約
見出し例
営業情報を一元管理し、案件の停滞と対応漏れを早期に発見できる体制を構築します
記載内容
- 現在の課題
- 提案する解決策
- 期待できる効果
- 導入範囲
- 想定スケジュール
4ページ目:現在の状況
見出し例
顧客情報と案件情報が複数のExcelに分散しています
記載内容
- 現在の管理方法
- 利用しているツール
- 関係する部署
- 業務の流れ
5ページ目:発生している課題
見出し例
案件状況の確認に時間がかかり、対応の遅れを把握できません
記載内容
- 現在発生している問題
- 問題による影響
- 解決の優先順位
6ページ目:課題の原因
見出し例
管理場所と入力ルールが統一されていないことが原因です
記載内容
- 情報が分散している
- 担当者ごとに管理方法が異なる
- 更新のタイミングが決まっていない
- 営業会議用の集計を手作業で行っている
7ページ目:解決の方向性
見出し例
顧客・案件・活動情報を一元化し、営業プロセスを可視化します
記載内容
- 情報を一か所に集約する
- 入力ルールを統一する
- 案件の進捗を一覧化する
- 異常や対応漏れを確認できるようにする
8ページ目:商品・サービスの概要
記載内容
- サービスの全体像
- 顧客の課題に関係する主な機能
- 利用対象者
- 利用方法
9ページ目:導入後の業務イメージ
記載内容
- 導入前後の業務フロー
- 営業担当者の利用方法
- 管理職の確認方法
- 営業会議での活用方法
10ページ目:期待できる効果
記載内容
- 情報確認時間の削減
- 対応漏れの防止
- 引き継ぎの効率化
- 営業会議の短縮
- 案件進捗の可視化
11ページ目:選ばれる理由
記載内容
- 他社との違い
- 自社独自の強み
- サポート体制
- 提案先に適している理由
12ページ目:導入事例
記載内容
- 導入企業の概要
- 導入前の課題
- 実施内容
- 導入後の変化
13ページ目:料金・費用対効果
記載内容
- 初期費用
- 月額費用
- オプション
- 費用対効果の試算
- 見積もりの前提条件
14ページ目:導入スケジュール
記載内容
- 契約
- 要件整理
- 初期設定
- データ移行
- 操作説明
- 利用開始
- 運用支援
15ページ目:次のステップ
記載内容
- 次回の打ち合わせ日
- 次回までの確認事項
- 双方の対応内容
- 見積もりや契約までの流れ

営業資料を組織の営業力向上につなげる方法
営業資料は、一度作って終わりではありません。
実際の商談で使用し、顧客の反応や質問、商談結果を確認しながら改善する必要があります。
商談で出た質問を記録する
顧客から繰り返し聞かれる質問は、資料で説明が不足している可能性があります。
料金、他社との違い、導入期間、運用方法など、質問が多い内容を資料に追加しましょう。
商談が進んだ資料の共通点を確認する
受注した案件や次のフェーズに進んだ案件について、どのような資料を使い、どのような説明を行ったのかを確認します。
成果の出た資料や提案方法を共有し、標準の営業資料に反映しましょう。
失注理由を資料の改善に活かす
失注理由が「価格」「機能不足」「導入時期」「競合との差」などであれば、資料上で説明できていたかを確認します。
資料だけで解決できない失注理由もありますが、顧客の判断基準や懸念点を整理することで、次の提案に活かせます。
顧客情報と提案内容を一元管理する
営業資料を改善するには、顧客の課題、提案内容、商談の進捗、受注・失注結果を関連付けて確認できる状態が必要です。
SFAを活用すると、顧客情報や案件情報、活動履歴を一元管理し、どのような営業活動が成果につながったのかを分析しやすくなります。
SFAを使った営業分析については、SFAでできる分析とは?顧客・行動・商談・KPI分析の方法を解説で詳しく紹介しています。
営業資料の作り方に関するよくある質問
営業資料は何ページくらいが適切ですか?
必要なページ数は、使用する営業フェーズや商品の複雑さによって異なります。
初回商談で概要を説明する資料であれば、重要な情報を10ページ前後にまとめる方法があります。個別提案や社内稟議に使用する資料では、課題、効果、費用、導入スケジュールなどを加え、15ページ以上になることもあります。
ページ数を先に決めるのではなく、顧客の意思決定に必要な情報が揃っているかを基準にしましょう。
営業資料はPowerPointとPDFのどちらで作るべきですか?
編集や商談中の説明にはPowerPointやGoogleスライドが適しています。
顧客へ送付する際は、レイアウトが崩れにくいPDF形式に変換する方法が一般的です。
顧客が社内で内容を編集する必要がある場合などを除き、送付時はPDFにするとよいでしょう。
営業資料のテンプレートは使い回してもよいですか?
基本構成やデザインはテンプレート化して問題ありません。
ただし、顧客の課題、導入効果、事例、競合比較、次のステップまで同じ内容を使い回すと、相手に合わない提案になります。
共通部分と個別に変更する部分を分けて管理しましょう。
営業資料と商談用のプレゼン資料は分けるべきですか?
商談中に説明する資料と、商談後に顧客が読み返す資料では、必要な情報量が異なります。
商談用資料は説明に集中できるように情報量を抑え、送付用資料には補足説明や出典、FAQなどを追加する方法があります。
1つの資料を使用する場合は、商談中には一部のページだけを説明し、詳細情報を後半にまとめるとよいでしょう。
営業資料はどのくらいの頻度で更新すべきですか?
料金や機能、導入事例などに変更があった場合は、その都度更新する必要があります。
それ以外にも、定期的に顧客からの質問、商談の進捗率、受注・失注理由を確認し、内容を見直しましょう。
更新日と管理責任者を決めておくと、古い資料が使われ続けることを防げます。
まとめ
成果につながる営業資料を作るためには、自社が伝えたい情報を並べるのではなく、顧客の意思決定に必要な情報を順番に整理することが重要です。
資料を作る前に、次の4点を明確にしましょう。
- 誰に向けた資料なのか
- どの営業フェーズで使用するのか
- どの課題をどのように解決するのか
- 資料を読んだ後に何をしてほしいのか
資料は、顧客の課題、原因、解決の方向性、商品・サービス、導入効果、根拠、費用、スケジュール、次の行動という順序で構成すると、提案の流れを理解してもらいやすくなります。
また、営業資料は一度作って終わりではありません。顧客の反応や質問、商談結果を蓄積し、継続的に改善することで、営業組織全体の提案力向上につながります。
営業資料や提案内容を改善するには、顧客情報、案件の進捗、活動履歴、受注・失注結果を一元管理できる環境が必要です。
GoCoo! SFAでは、企業情報、顧客情報、営業活動、商談の進捗などをまとめて管理できます。蓄積した営業データをダッシュボードで可視化し、営業プロセスの改善に活用できます。









