
アカウント営業とは?メリットや実施の手順をわかりやすく解説
営業成果を伸ばすために、新しい営業手法を検討している方も多いのではないでしょうか。近年、多くの企業が注目している手法のひとつが「アカウント営業」です。今回は、アカウント営業の特徴やメリット、実践に向けた具体的な手順をわかりやすく解説します。
目次[非表示]
- 1.アカウント営業とは
- 2.アカウント営業で得られる効果
- 2.1.顧客生涯価値(LTV)が高まる
- 2.2.顧客からの信頼度を高められる
- 2.3.成果につながりやすくなる
- 3.アカウント営業を実施する際の手順
- 3.1.1.ターゲットを決める
- 3.2.2.アカウントビジョンを明確にする
- 3.3.3.事業課題の仮説を立案する
- 3.4.4.関係性を強化する
- 3.5.5.アカウント戦略を決める
- 3.6.6.事業課題を共有する
- 3.7.7.ソリューションの提案をする
- 3.8.8.関係性を拡大する
- 4.まとめ
アカウント営業とは
アカウント営業とは、担当する顧客企業に対して深く関わりながら、長期的な関係構築を目指す営業スタイルです。通常の営業と大きく異なる点は、単に商品やサービスを売り込むのではなく、顧客企業の事業内容や組織構造を深く理解し、本質的な課題解決を目指すことにあります。
アカウント営業では、顧客の経営課題や業界動向を徹底的にリサーチし、最適なソリューションを提案します。例えば、人材不足に悩む企業には採用支援サービスを、業務効率化を目指す企業にはシステム導入を提案するなど、顧客のニーズに合わせた提案を行います。
また、このような営業スタイルでは、顧客との信頼関係を築くことが重要です。そのため、定期的な面談や商談を通じて、顧客の声に耳を傾け、時には経営者の相談役として機能することもあります。
一般的なルート営業や提案型営業と比較すると、ひとつの企業により多くの時間を費やすことになります。しかし、その分だけ顧客との関係は深まり、長期的な取引につながっていくでしょう。結果として、安定的な売上を確保しやすく、顧客満足度も高まるため、多くの企業で注目されています。
アカウント営業で得られる効果
アカウント営業を導入することで、顧客との関係を深め、長期的な営業活動を通じてビジネス成長を加速できます。ここでは、具体的にどのような効果が得られるのか、詳しくみていきましょう。
顧客生涯価値(LTV)が高まる
アカウント営業の目的は、一度の取引で終わらせず、顧客との長期的な関係を築くことです。その結果、顧客生涯価値(LTV)の向上が期待できます。LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)とは、顧客が自社と取引してから終了するまでの間にどれだけの利益を得られるのか表した指標のことです。
例えば、定期的な商品の追加発注や、新規事業に関する相談を受けるなど、継続的なビジネスチャンスが生まれます。さらに、顧客の事業成長に合わせて、必要な製品やサービスを提案できるため、取引規模を拡大することも可能になるでしょう。
顧客からの信頼度を高められる
アカウント営業では、担当者が顧客専属のパートナーとして、日々のコミュニケーションを大切にします。顧客の業界知識を深め、経営課題を理解し、最適な解決策を提案することで、強い信頼関係を築くことが可能です。
このような密接な関係性を構築できれば、競合他社への乗り換えリスクを低減できます。顧客は信頼できるパートナーを簡単には変更しないため、長期的な取引関係を維持しやすくなるでしょう。
成果につながりやすくなる
アカウント営業の大きな特徴は、顧客のビジネスを深く理解することです。顧客の課題や目標を詳しく把握すれば、的確な提案が可能になり、商談の成約率を高められます。
また、頻繁なコミュニケーションを通じて、顧客のニーズの変化にいち早く気づくことができるでしょう。そのため、タイミングの良い提案が可能になり、競合他社との差別化を図れます。結果として、より多くの商談を成約へと導くことができるのです。
アカウント営業を実施する際の手順
アカウント営業を効果的に進めるためには、体系的なアプローチが重要です。ここでは、成果を上げるための具体的な8つの手順を紹介します。
1.ターゲットを決める
アカウント営業の第一歩は、適切なターゲット企業を選定することです。市場規模や将来性を考慮しつつ、自社のサービスや商品と相性の良い企業を選びましょう。
見込み顧客を選ぶ際は、取引による利益の可能性も慎重に検討することが大切です。可能性の低い顧客へのアプローチは、時間やリソースの無駄遣いになります。
2.アカウントビジョンを明確にする
ターゲット企業との関係性をどのように築いていくのか、具体的なビジョンを描くことが大切です。短期的な売上だけでなく、長期的なパートナーシップを視野に入れて考えましょう。
ビジョンには必ず期限を設定します。業界によって適切な期間は異なるものの、1年後、3年後、5年後といった具合に、どのような関係性を築きたいのかを明確にします。その際、顧客にどのような価値を提供できるのかも併せて考えることが重要です。
3.事業課題の仮説を立案する
顧客企業が抱える課題を理解するため、まずは仮説を立てます。IR資料や企業のプレスリリース、業界ニュースなどから情報を集め、どのような課題を抱えているのかを分析します。
立てた仮説は、実際の商談や面談を通じて検証していきます。最初から完璧な仮説を立てる必要はありません。顧客との対話を重ねながら、より正確な課題把握に努めましょう。
4.関係性を強化する
アカウント営業では、企業内の重要な意思決定者(キーパーソン)との関係構築が不可欠です。経営層や各部門の責任者との接点を増やしていきましょう。
また、必ずしも役職が高い人だけがキーパーソンとは限りません。社内で信頼が厚く、上位職者への影響力を持つ人物との関係構築も重要です。
5.アカウント戦略を決める
顧客の課題に対して、どのように解決策を提供していくのか、具体的な戦略を立案します。その際、重要なのは顧客視点です。自社の利益だけでなく、顧客にとってのメリットを第一に考えましょう。
また、すでに関係性を築いた社内キーパーソンに相談するのも効果的です。特に影響力のある人物からは、他のキーパーソンの情報や戦略へのアドバイスなど、貴重な情報が得られる可能性があります。
6.事業課題を共有する
分析で得られた課題認識を、顧客と共有する段階に入ります。特に意思決定権を持つキーマンが認識している課題を明確にし、共有することが重要です。
課題の共有は、単なる情報交換ではありません。後の提案につながる重要なステップとして位置づけ、丁寧に進めていきましょう。
7.ソリューションの提案をする
共有した課題に対して、具体的な解決策(ソリューション)を提案します。例えば「御社の営業効率化という課題は、弊社の営業管理システムで解決できます」というように、課題と解決策を明確に結びつけます。
提案する際は、顧客のメリットを具体的に示すことが重要です。数値化できるものは数値で示し、期待される効果を分かりやすく説明しましょう。
8.関係性を拡大する
ひとつの課題解決が実現したら、そこで終わりではありません。導入後の効果を顧客と一緒に確認し、新たな課題の発見と解決を目指します。
さらに、取引のある部署だけでなく、他部署への展開も視野に入れましょう。成功事例を基に、組織全体での関係性を広げていくことで、より大きな商機につながるでしょう。
まとめ
アカウント営業は、顧客企業に深く関わり、長期的な関係構築を目指す営業スタイルです。単なる商品販売ではなく、顧客の事業や課題を理解し、最適なソリューションを提供することで、顧客生涯価値の向上と信頼関係の構築を実現します。
ターゲット選定から始まり、ビジョン設定、課題把握、関係構築といった体系的なアプローチで進めることで、高い成果につながります。自社のビジネス成長を目指す企業は、アカウント営業の導入を検討してみましょう。
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