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失注分析とは?主な失注理由や具体的な分析方法を紹介

営業活動を効率化したり、今後の営業戦略を立てたりするときは、失注分析が欠かせません。成約に至らなかった原因を可能な限り正確に分析することで、次回以降の営業活動につなげることができます。
 
今回は、成果を生み出す失注分析について、具体的な方法やコツを紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.営業における失注分析とは
    1. 1.1.失注分析の目的
    2. 1.2.失注分析の効果
      1. 1.2.1.自社や製品・サービスの現状を把握できる
      2. 1.2.2.営業活動の課題を発見できる
      3. 1.2.3.社員の提案内容を改良できる
  2. 2.代表的な失注要因
    1. 2.1.【ケース1】必要な機能がなかった
    2. 2.2.【ケース2】競合他社に惹かれた
    3. 2.3.【ケース3】現時点での必要性を感じなかった
    4. 2.4.【ケース4】予算が合わなかった
    5. 2.5.【ケース5】製品・サービスの価値を感じられなかった
    6. 2.6.【ケース6】決裁が下りなかった
    7. 2.7.【ケース7】企業や製品・サービスへの不信感があった
  3. 3.失注分析の方法
    1. 3.1.【方法1】営業担当者ごとに分析する
    2. 3.2.【方法2】営業プロセスごとに分析する
    3. 3.3.【方法3】業種ごとに分析する
    4. 3.4.【方法4】競合他社を分析する
    5. 3.5.【方法5】失注率の高いリードソースを分析する
    6. 3.6.【方法6】お客様へのヒアリングで失注要因を分析する
  4. 4.失注分析にはSFAの利用がおすすめ
  5. 5.まとめ

営業における失注分析とは

失注分析とは、成約に至らなかった営業活動について、原因を分析することです。失注分析には、さまざまな目的や効果があります。

失注分析の目的

企業が失注分析を行う目的は、営業活動の課題を洗い出すためです。失注してしまう理由は複数あり、必ずしも「製品やサービスが魅力的ではなかったから」とは限りません。場合によっては、クロージングまでの誘導や訴求ポイントに原因が潜んでいることもあります。
 
失注分析により、成約を逃した理由が分かれば、自社が改善すべき課題が見えてきます。営業力を向上させるためには、製品やサービスのブラッシュアップのみならず、マーケティング手法の見直しも大切です。失注分析を行うと、自社が抱える課題を明確化できます。

失注分析の効果

正確な失注分析によって得られる効果は、下記の3つです。
 
・自社や製品・サービスの現状を把握できる
・営業活動の課題を発見できる
・社員の提案内容を改良できる
 
それぞれ詳しく解説します。

自社や製品・サービスの現状を把握できる

失注分析をすることで、自社の立ち位置や自社製品・サービスの評価を適切に把握することができます。
 
自社製品・サービスの訴求ポイントと顧客のニーズにズレがあった場合、失注に至るケースが多いです。
 
また、製品・サービスに問題がなくとも、ターゲティングを誤っていたり、競合のほうが優れていたりする場合があります。失注分析によって自社の現状を客観的に評価できれば、注力すべきポイントが見えてきます。

営業活動の課題を発見できる

失注分析は、営業活動の各フローにも注目します。例えばクロージングで失敗しているのか、最初のアプローチで他社へ流出させているのかで、解決すべき課題は異なります。
 
クロージングの段階で失注するケースが多い場合は、担当者のトークや契約方法の見直しが必要です。一方、最初のアプローチで離脱率が高いときは、そもそもターゲットが合っていない可能性が考えられます。
 
失注分析を細かくフローごとに行えば、上記のようにボトルネックといえる部分の洗い出しにつながります。

社員の提案内容を改良できる

失注分析は、顧客が抱える課題(購入・契約しない理由)をどのように解消すべきか、マニュアル作成や戦略立案にも役立ちます。
 
失注しやすい代表的な理由が、予算です。しかしアプローチ方法によっては、同じ料金システムや金額でも顧客がお得だと思うこともあります。
 
失注分析を元に、社員の提案内容を最適化できれば、成約につなげられます。


代表的な失注要因


失注に至る要因は、複数あげられます。ここでは主な失注要因を7つ紹介します。

【ケース1】必要な機能がなかった

製品によっては、搭載されている機能が最大のセールスポイントです。しかし顧客から「ほしい機能がないから」と購入や契約を断られることがあります。
 
もし顧客が使用している製品にほしい機能がある場合、自社製品と連携できれば売り込める可能性は残っています。

【ケース2】競合他社に惹かれた

「すでに他社の製品・サービスを検討している」「もう他社と契約した」といった断り方をされる場合があります。しかし競合他社の顧客であっても、アプローチ方法次第では成約につなげられるかもしれません。

顧客が買わない理由

提案の事例

A社のほうが有名だから

広告費がかかる分、大手は価格が高くなりやすい(ので、自社製品・サービスの価格を見てほしい)

B社の担当者が親切で安心できる

自社は担当制なので、お客様専属で1人の担当者がついてサポートしている

C社製品・サービスをずっと使っているから

同等の価格でC社にない機能・サービスもあるのでお得

顧客がなぜ競合他社を選んだのか、丁寧にヒアリングすることが大切です。 

【ケース3】現時点での必要性を感じなかった

顧客が「今すぐ課題解決したい!そのためにはこの製品・サービスが必要だ」と考えているとは限りません。必要性を感じていないときに製品を提案しても、予算の無駄だと断られます。
 
失注数を減らすためには、確度の低い顧客へむやみやたらに声掛けしないことも大切です。製品を必要だと感じているか、具体的な解決策は思いついていないものの課題は自覚しているのかなど、顧客の状態を見極めたうえで提案しましょう。

【ケース4】予算が合わなかった

「予算が合わないから」と断られるときは、さまざまな理由があげられます。製品・サービスで解決できる課題に対して、出費してでも対策したいと思っていない場合もあれば、必要性は感じつつも単純に価格が高いと感じていることもあります。
 
価格の感じ方は、アピール方法次第で変えられる要素です。例えば、競合と比べて月額利用料が高いシステムを売り込む際でも、「常に最新バージョンが使える」「24時間のサポートつき」などの付加価値があれば安いと思ってもらえることがあります。

【ケース5】製品・サービスの価値を感じられなかった

アプローチ方法が悪いと、顧客に製品・サービスの価値が伝わりません。極端な例をあげると、即効性を重視する顧客に「時間はかかるが、効果は大きい」と説明しても、契約を断られる可能性があります。
 
ユーザーニーズを正しく把握して、適切な視点で魅力を伝えてはじめて製品・サービスの価値が伝わります。

【ケース6】決裁が下りなかった

意思決定権のない窓口担当者が「この製品・サービスは良い」と思っても、決裁者の承認が下りなければ成約には至りません。
 
決裁に直結する人物へアプローチする方法を探るか、商談相手が上司へ提案するときに役立つ情報を提供することが大切です。意思決定権のある人物も納得できるような、説得力のある伝え方が求められます。

【ケース7】企業や製品・サービスへの不信感があった

好印象な担当者が商談に挑んでも、顧客がそもそも企業や製品・サービスに対して不信感を抱いていれば成約は困難です。成約を急ぐ前に、まずは自社に対する不信感を解消してもらわなくてはなりません。
 
例えば無理に売り込んでセールス感を出すよりも、顧客に役立つ情報を提供して、信頼関係を築くことから始めるなどの遠回りが成約につながることもあります。


失注分析の方法

失注分析には、さまざまな方法があります。営業活動におけるボトルネックを洗い出すためにも、適切な方法で分析しましょう。
 
ここでは、代表的な失注分析の方法を6つ紹介します。

【方法1】営業担当者ごとに分析する

営業活動の質を底上げするためには、営業担当者ごとの課題や成果を把握する必要があります。営業担当者ごとに失注分析するときにチェックすべきポイントは、下記の通りです。
 
・営業担当者がどの段階で失注しているのか比較する
・失注しやすい要因を洗い出す
 
例えば契約直前で失注していることが多い営業担当者の場合、クロージングに課題があると考えられます。
 
反対に潜在顧客から顕在顧客へ育成している途中で失注している場合、顧客からの信頼を得られていないかもしれません。連絡を行っている頻度や返信速度に問題はないか、自社製品・サービスへの理解は十分かなど、失注に至る要因を把握して、個々に合った教育を施すことが大切です。

【方法2】営業プロセスごとに分析する

営業プロセスは、大きく分けると下記の通りです。
 
・アポイント
・初回商談
・ヒアリング
・提案
・決裁者へのプレゼン
・クロージング
 
チーム全体で似たようなプロセスでの失注が多い場合、個々の問題ではなく業務フローや営業トークのマニュアルが失注要因と考えられます。各プロセスに対して適切なアプローチ方法、提案内容は何か見直して、再度チームで共有しましょう。

【方法3】業種ごとに分析する

取引相手の業種ごとに失注分析すると、共通点が見つかることがあります。「A業界は予算を理由に失注しやすい」「B業界は導入時期が合わない」など、業種ごとの傾向が分かれば、対策を立てやすくなります。
 
すべての業種を同じプロセスや提案内容で営業するのではなく、傾向に合わせてマニュアルを細分化することが大切です。

【方法4】競合他社を分析する

競合他社も企業ごとに分析すると、失注要因がわかりやすくなります。分析の結果次第で、成約につながりやすい時期や提案内容を把握できます。
 
A社に価格面で負けているからといって、必ずしも割引が成約増加につながるとは限りません。仮に割引してA社との競合に勝っても、割引した分だけ質が落ちれば、高品質を売りとするB社に顧客が流れるおそれがあります。
 
商談時に顧客がどのような競合をあげるか、どのような理由で断ろうとするかを分析して、各競合に適した対策を立てましょう。

【方法5】失注率の高いリードソースを分析する

集客チャネルごとの分析は、注力すべきリードソースの把握にもつながります。例えば資料請求者よりもセミナー参加者のほうが成約しやすい場合、イベントの実施頻度を増やす戦略も効果的です。
 
反対に失注率の高いリードソースが多いと、費用対効果の悪い手法にコストをかけている可能性が考えられます。社内リソースを効率的に活用するためにも、失注率の高いリードソース・成約しやすい手法の明確化が必要です。

【方法6】お客様へのヒアリングで失注要因を分析する

成約を取り逃したとき、思い切ってお客様に直接確認することも一種の失注分析といえます。どういった点が契約を思いとどまらせたのか、どのような後押しがあれば申し込んでも良いと思えたのか、やんわりと質問してみましょう。
 
ヒアリングで失注分析するときは、相手を不快にさせない聞き方を意識することが大切です。あくまで今後の勉強のために知りたい、とセールス感のない聞き方で質問すると、答えてくれることがあります。

失注分析にはSFAの利用がおすすめ

失注分析は、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトでも行えます。ただしリアルタイムで共有が困難だったり内容をまとめにくかったりと、不便な部分もあるため、推奨しません。
 
失注分析には、SFA(営業支援システム)の活用が便利です。日々の営業活動を入力すれば、社内の先注案件をカテゴリ別に見える化してくれるSFAもあります。受注分析や顧客管理、社内の案件管理なども一元化できるため、営業活動全般の効率化をサポートしてくれます。
 
SALES GO ISMは「これさえあればいい」といった機能を搭載した、誰でも使いやすいSFAです。
 
業界初の4Dフェーズ管理を採用しており、商談、商材、企業、人ごとに管理できます。データを入力すれば一目で営業状況を把握できるため、失注分析にも役立ちます。
 
1人あたり3,000円~5,000円/月といった低コストで利用できるので、気になる方はぜひご検討ください。
 
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まとめ

失注分析は、営業活動を効率化し、今後の戦略を立てるうえで重要です。成約に至らなかった原因を分析することで、営業活動の課題を明確にし、改善点を見つけられます。
 
方法として、営業担当者や営業プロセス、業種、競合他社などの項目別に失注要因を分析するのが効果的です。さらに、SFAを活用すれば各担当者の営業活動や顧客管理を一元化でき、失注分析を効率良く行えるため、導入を検討してみると良いでしょう。

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