販売代理店とは?メリットやデメリット、選ぶ際のポイントを紹介
企業の目標売上や利益を達成するには、販路拡大をどのように展開するかも重要な課題のひとつです。販路拡大の手段として、販売代理店を活用する方法があります。
今回は、販売代理店とは何か、販売代理店の仕組みや活用のメリット・デメリット、自社に適した販売代理店の選び方について紹介します。
目次[非表示]
- 1.販売代理店とは
- 2.販売代理店を利用するメリット
- 3.販売代理店を利用するデメリット
- 4.自社に合った販売代理店を選ぶポイント
- 4.1.経験と専門知識があるか
- 4.2.評判と信頼性があるか
- 4.3.共通のビジョンがあるか
- 5.まとめ
販売代理店とは
販売代理店とは、広義では、自社の商品やサービスを代わりに販売する企業などのビジネスパートナーのことです。
本部(自社)の商品やサービスの販売権をビジネスパートナーに与える代わりに、販売や営業を代わりに行ってもらう仕組みです。
販売代理店の形態は、「販売代理店」と「紹介代理店」に大きく区分できます。
販売代理店は、商材の販売まで一貫して責任を持つ形態で、商談から販売まで行います。一方、紹介代理店は、商談や販売をともなわない形態です。紹介代理店では、商材の紹介のみを行い、商談や販売は本部が担います。
また、販売代理店は、特約店、販売店、代理店の3つ、紹介代理店は取次店、紹介店の2つの形態に区分されます。
特約店
販売元である本部と特別な契約を結んだ販売代理店を特約店といいます。特別な契約とは、特定の商品を独占的に販売できる権利やロゴを自由に使える権利などさまざまです。販売ノルマが設定される場合もあります。
特約店は本部との関係が密接であることから、他の代理店と比べて本部の影響力は強くなります。販売の制限や目標設定などがある一方で、販売のサポートが手厚いのが特徴です。
販売店
販売店は、販売元から商材を買い取り、顧客に直接販売する形態です。小売店などが販売店に該当します。
販売店の特徴は、商材の選択や価格設定を自由に行えることです。ほかの販売代理店の形態と比べて販売の自由度が高い形態です。
代理店
代理店は、本部の代わりに商材を顧客に販売する形態です。一般的に、販売代理店は代理店のことをいいます。代理店のもつ販売経路で商材を販売することで、本部から手数料を受け取れる仕組みです。
取次店
取次店とは、顧客に商材を紹介したり、販売元に契約手続きの取り次ぎをしたりする形態のことです。取次店では商材の提供は行わず、手続きや契約、商材の提供、アフターフォローは販売元が担います。
取次店の代表的な種類として、コンビニエンスストアでの集荷受取サービス、レンタルサーバー、決済代行サービスなどがあります。
紹介店
紹介店は、販売元に見込み顧客を紹介する形態です。見込み顧客を獲得するための営業は紹介店側で行い、獲得後の商談や契約、販売などは販売元が担います。主に、商材の認知度を向上させる活動を行うのが紹介店です。
販売代理店を利用するメリット
企業が販売代理店を利用することには、どのような利点があるのでしょうか。主なメリットを3つ紹介します。
メリット1|固定費はそのままで販路を拡大できる
販売代理店活用のメリットのひとつは、販路拡大がしやすいことです。通常、販路を拡大するには、新規エリアでの出店などが必要です。新たに店舗を設置するには、店舗の建設費あるいは賃料など、あらゆるコストがかかります。
販売代理店は、ビジネスパートナーが有するネットワークを効果的に活用できる形態です。コストを抑えつつ、新規エリアの販路拡大が実現できます。
メリット2|リソースを節約できる
自社で必要なリソースを節約しつつ営業活動に取り組めるのも、販売代理店活用のメリットです。販売代理店は、どの形態であっても販売元の営業業務の負担を軽減できる仕組みです。
自社において十分なマーケティングや営業のリソースを確保できなくても、販売代理店を活用することで営業力を補えます。形態によっては、販売活動を販売代理店に任せられるため、営業に必要な手間も軽減できるのがメリットです。
結果として、販売元は、新商品の開発などコアな業務に集中できます。
メリット3|地域に根付いた営業ができる
地域に適した営業ができるのも販売代理店活用のメリットです。販売エリアによって、ニーズや文化などは異なります。特に海外では、その傾向がより強くなるでしょう。
地域の販売代理店を利用すれば、すでに地域の特性やニーズを把握しているビジネスパートナーが営業を展開することになります。より効果的な営業スタイルで活動することになるため、地域に根付いた営業がしやすいメリットがあります。
販売代理店を利用するデメリット
企業が販売代理店を利用することには注意点もあります。販売代理店の主なデメリットを3つ取り上げます。
デメリット1|外部リソースへ依存してしまう
販売代理店利用のデメリットのひとつは、良くも悪くも外部の営業リソースが自社にも影響を与えることです。販売代理店にすべて任せている状態だと、販売代理店の業績が悪化したときのフォローができず、自社の売上にも影響がおよびます。
また、販売代理店への依存度が高いと、社内で営業のノウハウが育ちにくいのもデメリットです。販売代理店への営業サポートも適切に行えなくなるため、売上や利益が販売代理店の成績に大きく左右されやすくなります。
デメリット2|商材によっては売りづらい
商材によって、販売代理店に向いた商材と向かない商材があります。販売代理店に向いているのはシンプルな商材です。専門的な知識を要しないわかりやすい商材や一般的な営業手法で対応できる商材が向いています。
一方、販売代理店に向いていないのは、専門的な知識が必要な商材、営業手法が特殊な商材、ニーズが限定されている市場規模の小さい商材などです。例えば、BtoB向けのSFAや特殊な営業手法が必要なMA、Web制作など複雑な商材は、販売代理店では売りにくい傾向にあります。
デメリット3|代理店によってはトラブルに発展する
販売代理店は、自社とは切り離された別の組織です。そのため、さまざまなリスクが存在します。
まず、販売代理店の経験や商材に対する理解が十分でないことで、発生するリスクです。顧客のニーズを満たす提案や競合他社に対応した価格設定など、適切な販売戦略が立てられないために、販売活動の各段階でトラブルが発生する可能性があります。
また、ブランドイメージが損なわれるリスクがあることも販売代理店を利用するデメリットです。ビジネスパートナーと価値観を共有できず、商談の態度や対応の仕方によってブランドイメージが損なわれ、顧客の信頼が失われたり、ロイヤルティが失われたりすることもあります。
さらには、ビジネスパートナーが、契約条件を守らなかったり、機密情報を適切に管理しないことによる情報漏えいが発生したりするリスクも考えられるでしょう。
法的な問題や財務的な損失は販売元にも重大な影響を与え、企業の価値を下げたり、さらには企業自体の存続にも大きな影響を与えたりすることがあります。
自社に合った販売代理店を選ぶポイント
自社に適した販売代理店はどのように選ぶべきか、選定のポイントを3つ紹介します。
経験と専門知識があるか
自社の業界に理解のある販売代理店であれば、業界についての知識がある分、販売時の認識のズレや食い違いのリスクは低くなります。
自社の業界に対する知識や強みがあるか、自社の商材に関連する商品やサービスに関する知識があるか、実績や専門知識は確認しておきたいポイントのひとつです。
評判と信頼性があるか
評判が良く信頼性の高い販売代理店を利用すると、顧客との信頼関係の構築や販路拡大にメリットがあります。
販売代理店の選択の際には、評判や信頼性についても調査しておきましょう。販売代理店の公式サイトやSNSを確認する方法のほか、以前の利用者のコメントや業界メディアなどから情報を集める方法があります。
共通のビジョンがあるか
販売代理店とのパートナーシップを成功させ、売上や利益を最大化するには、販売元と販売代理店が方向性を同じにすることが重要です。販売代理店を選定する際には、目標やビジネスモデルなどが一致するかも確認しておきましょう。
まとめ
販売代理店の活用にはメリットとデメリットがあります。販売代理店の利用が自社に向かない場合は、社内での営業管理の効率化や営業力の強化なども検討してみましょう。
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