
IT導入補助金の活用事例6選|補助金の対象と申請方法も解説
IT導入補助金は、業務効率化や売上向上を実現するITツール導入費を支援する制度で、実際に多くの企業が成果を上げています。しかし「どのように活用すれば効果が出るのか」「自社でも使えるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。今回は、IT導入補助金の具体的な活用事例と対象、申請方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.IT導入補助金の活用事例6選
- 1.1.【製造業】株式会社マルサン
- 1.2.【卸売業】株式会社後藤
- 1.3.【不動産業】株式会社タウン管理サービス
- 1.4.【広告業】株式会社シンク
- 1.5.【福祉業】社会福祉法人三恵会
- 1.6.【専門・技術サービス業】福井自動車株式会社
- 2.IT導入補助金の対象となるもの
- 2.1.1. ソフトウェア(大分類Ⅰ)
- 2.2.2. オプション(大分類Ⅱ)
- 2.3.3. 役務(大分類Ⅲ)
- 2.4.4. ハードウェア(大分類Ⅳ・インボイス対応類型用)
- 2.5.5. サイバーセキュリティお助け隊サービス(大分類Ⅴ・セキュリティ対策推進枠用)
- 3.IT導入補助金を申請する方法
- 3.1.STEP1. 事前準備と導入ツールの選定
- 3.2.STEP2. IT導入支援事業者の選定・手続きの申請
- 3.3.STEP3. 採択を確認した後に、ITツールの契約・導入を実行する
- 3.4.STEP4. 事業実施期間終了後、成果を報告して補助金を受給
- 4.まとめ
IT導入補助金の活用事例6選

企業がIT導入補助金をどのように活用し、業務改善や新規事業に結びつけているのか、代表的な6つの事例を紹介します。
【製造業】株式会社マルサン
補助金を活用し、自社で木造住宅の構造計算を行う体制を構築した点が大きな成果です。
2025年4月の「4号特例」(木造戸建住宅建築確認手続き)縮小を見据え、外部依存からの脱却を目的にCADソフト『ARCHITREND ZERO』を導入しました。協力会社と同一ソフトを採用したことで連携効率も向上しています。
さらに、技術者育成が順調に進み、新事業立ち上げへの意欲向上にもつながるなど、人材面での効果も得られています。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026「建築基準法改正に伴う事業拡大とデジタルシフト|株式会社マルサン(福島県二本松市小浜字鳥居町)」
【卸売業】株式会社後藤
基幹システム更新とインボイス制度対応を同時に進めるために補助金を活用した事例です。
既存環境との親和性が高い『SMILE V 2nd Edition会計』を導入し、スムーズな移行を実現しました。
導入後は経費予測や利益率の可視化が進み、社員と粗利目標を共有できるようになったことで、柔軟な販売戦略の実行と新規事業の好調な展開につながっています。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026「会計ソフトでのリアルタイム把握で経営戦略の指針に|株式会社後藤(宮城県仙台市青葉区小田原)」
【不動産業】株式会社タウン管理サービス
属人化していたデータ管理の課題解決を目的に補助金を活用した事例です。クラウド型会計ソフト『freee』を導入し、基幹システムと連携することで情報の一元化を実現しています。
導入過程で社内説明を重ねた結果、デジタル化への意識が浸透し、評価制度の見直しなど組織改革も進行しています。将来的には家賃管理業務の大幅な自動化も見込まれています。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026「デジタル化に向けた意識醸成と制度改革|株式会社タウン管理サービス(東京都中央区日本橋堀留町)」
【広告業】株式会社シンク
市場のオンライン化に対応するため、新規事業立ち上げとともに補助金を活用した事例です。オンラインレッスン予約システム『WTE』を導入し、オンライン英会話レッスンのマッチングサービスを構築しました。
補助金活用そのものが企業のPRにつながり、新規サービスの認知向上にも寄与しています。現在は事業の本格的な成長フェーズを目指しています。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026「創業50年目の新たなチャレンジ!コロナ禍を乗り切るオンラインサービス樹立へ|株式会社シンク(大分県大分市府内町)」
【福祉業】社会福祉法人三恵会
システム更新のタイミングを活かし、補助金で業務改善を図った事例です。介護記録ソフトを刷新し、タブレット連携や視認性向上により現場の使いやすさが大幅に改善しました。
その結果、1人あたり10~20分の作業時間削減を実現し、業務効率と職員の負担軽減の両立に成功しています。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026「施設運営マネジメントのデジタル化で業務負担軽減|社会福祉法人三恵会(埼玉県さいたま市西区中釘)」
【専門・技術サービス業】福井自動車株式会社
制度改正への対応を目的に補助金を活用した事例です。『EBE整備システム』を導入し、顧客情報や整備履歴の一元管理を実現しました。
受付工数の削減や手書き業務の廃止によるミス防止、監査対応の簡素化など多面的な効果が生まれ、タブレット活用により従業員のITリテラシー向上にもつながっています。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026「未来を見据えた自動車整備のデジタル化|福井自動車株式会社(東京都千代田区外神田)」
IT導入補助金の対象となるもの

IT導入補助金の対象となるのは、中小企業や小規模事業者の業務生産性向上に寄与するITツールです。
主に事務効率化やインボイス制度への対応、売上向上を目的としたソフトウェアの導入費に加え、関連するクラウド利用料やハードウェア購入費なども含まれます。
ここでは対象となる具体的な内容を分類ごとに解説します。
1. ソフトウェア(大分類Ⅰ)
業務効率化の中核となるソフトウェアは、補助対象の中心です。 業務プロセスまたは汎用プロセスに該当する機能を持つソフトウェアが対象となり、会計・販売管理・顧客管理など幅広い用途に対応しています。
さらに、近年では生成AIやAI技術を搭載したソフトウェアも対象として登録可能であり、業務の自動化や高度化を実現するツールの導入も支援されています。これにより、単なる効率化にとどまらず、企業の競争力強化にもつながる点が特徴です。
2. オプション(大分類Ⅱ)
ソフトウェア本体とあわせて活用されるオプション機能も補助対象となります。
まず機能拡張では、追加モジュールやアドオン、バックアップ機能、フォーマット変換ツールなど、既存ソフトの機能を強化する要素が含まれます。これにより、自社の業務に最適化したシステム構築が可能になります。
次に、データ連携ツールは異なるシステム間でデータを共有・統合するための仕組みです。EAIやETL製品などが該当し、部門間の情報分断を解消し、業務全体の最適化を実現します。
さらにセキュリティ関連のオプションも対象となっており、情報漏洩やサイバー攻撃への対策を強化できます。安全性を確保しながらIT活用を進めるために重要な要素です。
3. 役務(大分類Ⅲ)
ITツールの導入には、単に購入するだけでなく、適切な設計や運用支援が不可欠です。
導入コンサルティングでは、導入計画や教育計画の策定など、企業の状況に応じた最適な活用方法を設計します。これにより、導入効果を最大化できます。
また、導入設定やマニュアル作成、研修といった実務面の支援も対象です。インストールや初期設定、操作指導を通じて、現場へのスムーズな定着を促します。
さらに、保守サポート費用も対象に含まれ、導入後のトラブル対応や継続的な運用支援を受けられます。
4. ハードウェア(大分類Ⅳ・インボイス対応類型用)
一定の条件下ではハードウェアも補助対象となります。 具体的には、PCやタブレット、プリンター、スキャナー、複合機といった業務に必要な機器が該当します。
さらに、POSレジやモバイルPOSレジ、券売機などの店舗運営に直結する機器も対象です。これらは特にインボイス制度対応を目的とした類型で認められており、業務のデジタル化と制度対応を同時に進められます。
5. サイバーセキュリティお助け隊サービス(大分類Ⅴ・セキュリティ対策推進枠用)
セキュリティ対策に特化したサービスも補助対象に含まれます。 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」に該当するものが対象です。
これらのサービスを活用することで、専門的な知識が不足している企業でも、適切なセキュリティ対策を導入できます。サイバーリスクが高まる現代において、事業継続性を確保するための重要な支援制度といえるでしょう。
IT導入補助金を申請する方法

IT導入補助金を申請し、実際に受給するまでの手続きは、大きく4つのステップに分かれます。事前準備から導入、報告まで一連の流れを正しく理解することが、スムーズな申請と確実な受給のポイントです。
STEP1. 事前準備と導入ツールの選定
まずは公募スケジュールや必要書類を確認し、余裕を持って準備を進めることが重要です。補助金は申請期間が限られているため、準備が遅れると申請機会を逃す可能性があります。
次に、自社の経営課題を明確にし、その解決につながるITツールを選定します。業務効率化なのか、売上向上なのか、目的によって最適なツールは異なります。
なお、補助対象となるITツールは事務局に登録されているものに限定されているため、自由に選べるわけではありません。事前に対象ツールかどうかを確認しておきましょう。
自社の課題整理が難しい場合は、商工会議所やよろず支援拠点、ITコーディネーターに相談すると、適切な方向性を見つけやすくなります。
STEP2. IT導入支援事業者の選定・手続きの申請
IT導入補助金の申請は、自社単独では行えず、登録済みの「IT導入支援事業者」と共同で進める必要があります。
多くの場合、導入したいITツールのベンダーが支援事業者となっているため、ツール選定と並行して相談を進めると効率的です。申請書類の作成や手続きについてもサポートを受けられるため、初めてでも安心して進められます。
また、審査に通過するためには、単なるIT導入ではなく「生産性向上につながる計画」であることを示す必要があります。ITツール導入による効果や費用対効果を具体的かつ簡潔に説明することが、採択率を高める重要なポイントです。
STEP3. 採択を確認した後に、ITツールの契約・導入を実行する
申請が採択された後、ITツールの契約・導入を進めることができます。注意点として、採択前に契約や購入を行うと補助対象外になってしまいます。 そのため、必ず採択通知を確認した上で正式な契約を締結し、導入作業に着手する必要があります。
導入後は、実際の業務に定着させることが重要です。システム導入にとどまらず、社内教育や運用体制を整備することで、補助金の効果を最大化できます。
STEP4. 事業実施期間終了後、成果を報告して補助金を受給
ITツールの導入・運用が完了した後は、事務局へ事業実績の報告を行います。報告が承認されて初めて補助金が支給されるため、最後まで手続きを怠らないことが重要です。
補助金の入金は報告後となるため、申請から受給までは一般的に半年程度かかります。そのため、短期的な資金調達手段としては適していない点にも注意が必要です。
また、申請枠によっては賃上げや給与総額の増加などの条件が課される場合があります。これらの要件を満たせなかった場合、補助金の返還を求められる可能性もあるため、事前に条件を十分に確認し、無理のない計画を立てることが大切です。
まとめ
IT導入補助金は、業務効率化や売上向上を実現する有効な制度であり、対象範囲や申請手順を正しく理解することで、効果的に活用できます。自社の課題に合ったITツールを選び、計画的に導入を進めることが成功の鍵です。
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